注目技術の将来を予測
「テープストレージ」が見直される理由は“新しい役割”にある(2/2 ページ)
テープのニーズ拡大の手応え
コンサルティング企業Toigo Partners Internationalのアナリストであるジョン・トイゴ氏(マネージング・パートナー兼Data Management Instituteの会長)は「テープのニーズは、フラッシュストレージやディスクストレージよりも多い」と語る。
「Microsoft Azure」のようなパブリッククラウドベンダーも、テープの大量消費者だと同氏は語る。このようなクラウドベンダーが、大容量のテープをデータバックアップ用に利用する可能性がある。
しかし、IDCの予測によると、2025年までに数十ゼタバイト(1ゼタバイトは約10億テラバイト)のストレージが必要になるという。
フラッシュストレージとディスクストレージが重要であることに変わりはない。「大規模な容量が必要になるのは確実で、テープの利用はこの膨大なデータを格納するための絶対条件だ」とトイゴ氏は言う。
カメラやヘルスケアのサービスを展開するFujifilmのリッチ・ガドムスキー氏は「テープとフラッシュ、その他のストレージとの比較は無意味で、これらをいかに使い分けるかが重要だ」と述べる。同氏はマーケティング担当バイスプレジデントで、テープストレージ協議会(Tape Storage Council)のメンバーでもある。
例えば、クラウドはオフサイト(遠隔地)のストレージなど特定の用途では利用価値があるが、全ての用途に最適な媒体ではない。
「多面的なデータ保護アプローチが進化し続けている」とガドムスキー氏は続ける。
テープに関してはまだ教育が十分ではないとベンダーは口をそろえる。マロニー氏は「技術の優位性について議論することが多いが、重要なことはどの技術がどの用途に最も適しているかである。その答えは、フラッシュ、ディスク、クラウドで構成する階層型ストレージモデルの一層としてテープが適しているということだ」と語る。
2018年3月に発表されたテープストレージ協議会の「テープ産業の現状」に関するレポート(Tape Raises the Bar for Higher Capacity, Reliability, and Security)も、複数の媒体を使用してストレージを管理することが組織にとって最も効果的であると報告している。
同レポートは、「テープはデータセンターのストレージ階層中でSSDとHDDと共存し、この理想的なストレージソリューションは各媒体のメリットを最適化する」としながら「技術の進歩により、テープは最も経済的で、最も大容量で、最も信頼性の高いストレージ媒体となった。今日のデータセンターでテープが果たす役割は急速に拡大している」と報告している。
LTO-8は、巨大磁気抵抗効果(GMR)の後継技術であるトンネル磁気抵抗効果(TMR)をヘッドに使用している。TMRは、GMRよりも微細な電気信号を処理して、LTOのより小さな領域にビットデータを書き込める。LTO-8は、金属粒子の代わりにバリウムフェライトを使用してテープ記憶容量を高めている。TMR技術とバリウムフェライトを使用したLTO-8は、1世代前のLTO(LTO-7)と書き込み互換性があり、2世代前までのLTO(LTO-6)と読み取り互換性がある。
ガドムスキー氏は、「テープは確実に進化し続けている」と語る。
テープには明確なロードマップがあり、LTOは第12世代までの計画が策定されている。 LTO-8以降の各世代は、前バージョン比で容量を倍増し「LTO-12」は480TBの圧縮容量と192TBの非圧縮容量を達成する予定だ。
IBMとソニーは、テープストレージ媒体の最高の面記録密度を実現する技術を開発し、カートリッジ当たり約330TBの非圧縮容量が得られるという。
ストレージの進化を見据えて
Spectra Logicは、2018年6月に発表した「Digital Data Storage Outlook 2018」レポートで「将来ゼタバイトクラスの量に到達するデータの多くは保存されることがないか、保存されても短期間のみになる。2026年までに不足すると考えられているストレージニーズの問題だが、この予測が1つの解決策を示している」と同レポートは述べている。
このレポートでは、バックアップ用にディスクが使用される傾向に伴い、2次ストレージ用テープの使用が減少したと報告しているが、長期アーカイブの市場におけるテープストレージ容量のニーズはむしろ増大している。
「テープ技術は、設置スペースと所要電力の両方で環境負荷が少なく、高レベルのデータ保全性が長期間持続し、他のあらゆるストレージよりGB当たりのコストが低いというメリットによって、この用途に適している」とレポートは述べている。
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