クラウド利用にも実は必須
「テープバックアップ」はZ(ゼタ)Bを超えるといわれるクラウドのデータ保持にも有効(1/2 ページ)
クラウド全盛期ともいえる現在だが、これまで使われてきた技術が急に無くなるわけではない。アーカイブで活躍していたテープも、時代に合った進化を遂げている。
最近、テープストレージ(以下、テープ)による重要情報の履歴保存(アーカイブ)をそろそろやめてもよいのではないかという記事をインターネットで目にした。アーカイブしたデータなど、企業が蓄えた全てのデータに隠された価値を素早く見いだそうとするなら、テープのようなシーケンシャルアクセス媒体ではなく、ディスクやフラッシュのようなランダムアクセス媒体を導入すべきだ、というのがその記事の趣旨だ。記事の著者は、開発担当者がテスト用に匿名データを検索する場合や、映像作品を制作する場合などのデータアクセスの速度が求められる例を紹介していた。
なお、シーケンシャルアクセスは、連続したデータを順次アクセスして呼び出す方式である。ランダムアクセスは、不連続に格納されたデータについてアドレス(番地、住所)を指定することで直接データを呼び出す方式である。
テープによるアーカイブに問題があるというこの例には、そもそも根本的な疑問がある。頻繁にアクセスするデータは、厳密にはアーカイブデータとはいえないのではないか。IBMの専門用語を使えば、完全停止状態(コールド)から稼働準備状態(ウォーム)または稼働状態(ホット)に変化しているのではないか。言い換えれば、テープを使っているかどうかが問題なのではなく、そのような状態のシステムが使用するデータをアーカイブの手法で考えることが間違っている。
問題は、テープによるアーカイブをやめるべきかどうかではなく、どのデータをアーカイブし、どのデータを常時利用状態(アクティブ)にしておくかを適切に定義して分類すべきであるということだ。
併せて読みたいお薦めの記事
テープバックアップの歴史をたどる
テープやクラウドだけじゃない、新ストレージについて知る
アクティブアーカイブとは
TechTargetでの記事(Active archive software: Not just for the enterprise anymore)ではアクティブアーカイブという考え方を紹介している。記事によると、アクティブアーカイブとは、大容量ディスクを使う二次ストレージと、テープや光ディスクを使う三次ストレージを融合するものだという。ここでいう一次や二次、三次ストレージというのは、それぞれ主のデータ格納領域(プライマリストレージ)を一次ストレージ、そのバックアップを目的としたものを二次ストレージ、アーカイブを目的としたものを三次ストレージとする考え方である。このアクティブアーカイブであればアーカイブであっても素早い検索が可能となるため“テープによるアーカイブは止めよう”という主張は覆すことができる。
具体的に見てみよう。アクティブアーカイブは、これまでのストレージとアーカイブの境界線を変える新しい仕組みだ。これまでのアーカイブ(三次ストレージ)は二次ストレージと明確に役割を分けていた。だが、アクティブアーカイブは二次ストレージと三次ストレージを仲介し、双方のデータアクセスを高速にする。アーカイブしたデータであってもすぐに抽出可能とし、また二次ストレージで長期間利用されないデータをアーカイブする。この機能は恐らく重複排除機能を搭載した複数ディスク管理装置(RAID)と同じ仕組みと思われる。
このRAIDに似たアクティブアーカイブの仕組みはテープよりも高価ではあるが、コスト効率に優れていた。このアクティブアーカイブ製品が市場にどのくらい需要があるか想像できないが、私はこの戦略、工夫に非常に驚いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社フィックスターズ] 組み込み開発特有の課題も解消できる「AI活用」の秘訣とは? -
製品資料
[株式会社スタディスト] 食品ロスを解消して“利益の創出”を実現、その第一歩は何から始める? -
製品資料
[株式会社スタディスト] 段取り替え時間に差が生まれるのはなぜ? 作業を標準化する仕組み作りのコツ -
技術文書・技術解説
[Datadog Japan合同会社] 開発と運用の人員格差をどう埋める? DevOpsを実現するための実践ポイント -
製品資料
[サイバーソリューションズ株式会社] たった1回でサプライチェーンが破滅することも メール誤送信を確実に防ぐには
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「企業におけるAI導入検討度とIT投資優先度」に関するアンケート
-
2
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
3
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
4
パッチなしで「今すぐサーバを落とせ」 Kiteworks異例警告の波紋
-
5
LINEヤフーはなぜ「社内の管理者」すら信用しないインフラを作ったのか
-
6
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
7
「サイバー犯罪株式会社」に潜入 現地調査で判明した“犯罪者求人”の実態
-
8
OpenAIやAnthropicでさえ制御不能 2026年夏「3大サイバー攻撃」の衝撃
-
9
Copilot導入で陥る“目的化”の落とし穴 定着の鍵は「作り込まない」こと
-
10
IT製品の導入に関するアンケート「セキュリティ」編
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
2
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
3
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
4
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
5
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
6
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
7
Linux初心者でも知らないとまずい「RHEL」「SLES」の違いとは?
-
8
東大教授と考える、AI時代の「データ主権」「信頼性」「ガバナンス」の在り方
-
9
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
10
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー