決済の自動化機能やコンサルティングサービスも
会計ソフトウェア6製品を比較 自社に合う製品は
買掛金(AP)、売掛金(AR)、総勘定元帳(GL)を中心に、「Oracle NetSuite Financials First」をはじめとした企業向け会計ソフトウェア6製品を詳しく調査して比較した。
企業向け会計ソフトウェア市場は規模が広がり、成熟した。つまりどのような企業にも理想的な製品が用意されている。ただしそれを見つけるには入念な下調べが必要だ。会計ソフトウェアの主なメリットには、財務プロセスのサポートや企業の財務状況の詳しい分析ができることなどが挙げられる。
本稿では、会計ソフトウェアベンダーとその製品をまとめ、会計機能を提供する製品の種類を簡単に寸評をした。買掛金(AP)、売掛金(AR)、総勘定元帳(GL)機能を中心に評価している。
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企業向け会計ソフトウェア市場の広範な調査を行うため、TechTargetは市場シェアをリードする会計ソフトウェアベンダーに注目した。さらに、従来の機能に加え高度な機能を提供するベンダーも視野に入れた。本稿の調査では、TechTargetが調べたデータの他、GartnerやForrester Researchなど調査会社のレポートから得たデータも含まれている。取り上げるのは以下の6製品だ。
- Oracle NetSuite Financials First
- Sage Intacct
- Acumatica
- Microsoft Dynamics GP
- Intuit QuickBooks Desktop Enterprise
- FinancialForce Accounting
Oracle NetSuite Financials First
Oracleによると、同社の「NetSuite Financials First」は、企業の会計管理を支援するために4つの領域に重点を置くという。
1つ目は、継続的な顧客ライフサイクルへの取り組みだ。このプラットフォームを使用する企業の成長に合わせ、コンサルティングすることによって継続して使用できるようにする。2つ目は、会計ソフトウェア分野でのNetSuiteの導入規模と、Oracleの経験に基づくベストプラクティスだ。Oracleの説明によると、数千の企業が世界中で同社の製品を導入しているという。
3つ目は、100日以内にシステムを立ち上げて、さらにクラウドベースの配信と自動更新を利用可能にする迅速な実装だ。4つ目はビジネスインテリジェンス(BI)で、150を超える組み込みレポート、事前構成済みの役割、ダッシュボードが用意されている。
事前定義済みのロールは、導入の高速化に役立つ。このロールには経理担当者、経理マネジャー、管理者、在庫マネジャー、調達マネジャーなどが含まれている。これら全てのロールに対し、それぞれ通常業務または戦略的計画のための、主要業績評価指標(KPI)、リマインダー、レポート、ダッシュボードがあらかじめ設定される。
企業は自社固有の要件を満たすようにNetSuite Financials Firstをカスタマイズできる。サードパーティーアプリケーションと統合することも可能だ。主な機能や特徴として以下が挙げられる。
- カスタマーセルフサービス
- 財務計画と財務分析
- 複数子会社の管理
- 合理的な資材調達
- GL、AR、APの統合により強化された財務管理
- 定期的にある決済の自動化
- 役割ベースのレポートと指標
Sage Intacct
Sage Intacctの同名サービスは、基本的な財務自動化プロセスを、スプレッドシートの利用が減るように設計している。また、営業成績をリアルタイムで可視化する機能の性能が向上するようにもしている。ユーザーは、コードやスクリプトを使わずにワークフロー、画面、基本設定を設計して、このクラウドベースの財務システムを調整できる。
この企業向け会計ソフトウェアには重要なコンポーネントが幾つか含まれている。1つは、複数のビジネス指標にわたってパフォーマンスを強調するレポートとダッシュボードを備えたGLソフトウェアだ。このソフトウェアには、ビジネスの全ての取引、予算、手段に関する状況を取得することを目的に、事前構成済みのディメンションが10個用意されている。これらのディメンションには、プロジェクト、製品、顧客所在地、部署、ベンダー、アイテム、従業員、クラスなどがある。
企業はその他のKPIを確認するために独自のカスタムディメンションを追加できる。Sage Intacctのインタフェースを通じて、コーディングやカスタマイズの必要なしにユーザー構成を管理することも可能だ。
もう1つの重要なコンポーネントがAPだ。これにより、経理チームはAPプロセス全体のワークフローを効率化できる。Sage Intacctによって従来手動だったAPプロセスを自動化し、ワークフローを最適化する。請求書支払い用の自動費用配分機能も搭載している。企業は支払い、承認、レポートをいつでも追跡して表示できる。
同社の企業向け会計ソフトウェアには発注用ソフトウェアもある。これは、購買チームが適切な時期に適切な価格で承認済みのサプライヤーから注文することを支援する。ユーザーは、構造化された取引と承認ワークフローを中心に構築された購買プロセスを利用して、購買速度、正確性、可視性、効率性を向上できる。ダッシュボードとレポートツール一式で予算と実費用を追跡し、コストを分析して、支出を可視化することも可能だ。
Acumatica
Acumaticaの「Financial Management」ソフトウェアには、GL、AR、APという主な会計領域に対応するモジュールが含まれている。
このソフトウェアには、現金管理、通貨管理、税務管理、繰延収益会計、会社間会計、経常収益管理、固定資産、給与支払管理を追加する付属モジュールも用意されている。
同社のSaaS型会計ソフトウェアの主なメリットには、ユーザーがさまざまなデバイスからブラウザベースでアクセスできることなどが挙げられる。ソフトウェアに入力されたデータの一貫性はアプリケーションスイート全体で保たれる。完全な監査証跡機能も搭載しており、概要レポートから元のイベントやエントリまでさかのぼって追跡できる。さかのぼれる要素には、日付、時刻、場所、エントリを作成した担当者のユーザーID、添付ドキュメント、コメントなども含まれる。
適時性と正確で詳細な監査証跡を実現するために、購買、受発注管理、在庫管理、製造、プロジェクト管理、サービス管理などの領域で開始された会計取引は財務モジュールにリンクされる。
Microsoft Dynamics GP
Microsoftの「Microsoft Dynamics GP」は中小企業用に設計された完全なERPプラットフォームだ。「Dynamics」パートナープログラム経由でのみ販売され、パートナーが計画、導入、カスタマイズ、サポートのサービスを提供する。これらのサービスは、会計にとどまらずそれぞれの企業固有のビジネスニーズを満たすように、プラットフォームを最適化することを意図している。
Dynamics GPは、オンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドのいずれかを選択して導入できる。また、重要な機能が多数用意されている。これらには次のような機能がある。
- 現金、資産、銀行取引を管理するための財務管理と会計機能
- 製造、在庫、注文、返品、ベンダーを追跡/管理するための在庫管理と運用機能
- 契約、販売機会、サービス契約を管理するための販売とサービス機能
- 包括的な従業員プロファイルと評価ツールを使った支援の下で従業員の雇用、トレーニング、給与支払いに対応する人事と給与機能
- BIとレポート機能
Dynamics GPの会計ソフトウェアとしての特徴に、パフォーマンスを追跡してリアルタイムで可視化、分析する機能がある。
企業は、Dynamics GPライセンスを(永続的に)前金で購入するか、毎月のサブスクリプション費用を支払うことを選べる。Microsoftによると、どちらのライセンスオプションにも、ソフトウェアを迅速に稼働させるために設計されたクイックスタートツールを含めているという。
Dynamics GPの「Starter Pack」には財務と販売に関する基本機能が備わっており、3ユーザー分のライセンスが付属する。「Extended Pack」にはより高度な機能が用意されている。そのため、企業は広範な機能を使って財務と販売に関する基本機能を拡張できる。専門サービスや建設といった独自のニーズに対応する仕事の管理や請求などがその例だ。「Customization Pack」では、組み込みツールを使用してDynamics GPを統合したり、カスタマイズしたりできる。そのようにして、他の製品との統合や、カスタマイズを通じたアプリケーションの拡張を実現し、独自の要件に対処する。
Intuit QuickBooks Desktop Enterprise
Intuitは複数の業界向けに「QuickBooks Desktop Enterprise」ソフトウェアを調整している。製造業、卸売業、小売業、請負業、非営利、専門サービスには、それぞれ専用バージョンが用意されている。これらの業界バージョンには特別な機能が備わっている。例えばカスタマイズされた勘定科目一覧表や、特定の業種を対象とした重要なレポートなどである。
企業向け会計ソフトウェアの重要なコンポーネントとしては「QuickBooks Desktop Enhanced Payroll」がある。これを使用する企業は、無制限の給与支払小切手の作成、無料の給与自動振込制度の使用、給与税に関する提出、源泉徴収票の生成ができるようになる。「QuickBooks Payments」も重要だ。これは支払いを自動的に更新し、取引銀行へ直接送金する機能を搭載している。このソフトウェアには、発注、再発注、顧客満足度を可視化する高度な在庫機能もある。
QuickBooks Desktop Enterpriseには「Advanced Reporting」という別の機能もある。これは企業が特定の業界用に設計されたテンプレートを使用して、必要に応じてレポートを作成できるようにするものだ。Intuitによると、この機能を使えば企業データを入力すると、Microsoftの「Microsoft Excel」にエクスポートせずにレポートを表示できるという。「Advanced Pricing」機能を使用すると、企業は「QuickBooks」プラットフォーム内から価格設定を制御、カスタマイズ、自動化することができ、こうした作業を手動で行わずに済む。
興味深い1つの機能として、在庫追跡を簡略化するモバイルバーコードスキャンがある。この機能はインターネットに接続しているか、Bluetoothに接続したIntuitのAndroid用モバイルアプリを使えばどこでも利用できる。この機能が会計ソフトウェアにあるメリットとして、受信と選択の高速化や、データ入力エラーの削減などがある。
Intuitでは、献身的な「カスタマーサクセスマネジャー」を用意する無料のロイヤリティープログラムを提供している。これにより製品選択の支援や、トレーニング、製品の活用法を研修する専門家、顧客ケア担当者のサービスを利用できるようになる。
同社では「QuickBooks Desktop Enterprise with Hosting」というクラウドベースの企業向け会計ソフトウェアも提供している。
FinancialForce Accounting
FinancialForceの「FinancialForce Accounting」は、Salesforce.comの「Salesforce CRM」プラットフォーム上にネイティブに構築された会計システムだ。FinancialForceによると、FinancialForce Accountingを「Salesforce」に統合することで、顧客や会計に関連する多くのタスクが自動化され、簡単に使えるようになるという。例えば経理部門と営業部門でのデータ入力の重複が最小限に抑えられる。
企業はクラウドベースのFinancialForceソフトウェアとSalesforceを連携させて請求書を作成できる。全ての顧客と顧客ごとの両方で支払条件を設定したり、ドキュメントの参照や数量に基づいて請求書に対する支払いを自動計算したりすることも可能だ。
FinancialForce AccountingとSalesforce CRMはSalesforce.comの同じクラウドプラットフォームに存在する。そのためFinancialForceはアプリケーション間の境界が見えなくなっていると述べる。会計ソフトウェアを導入するメリットとしては、ユーザー数の増加やクロストレーニングの機会が生まれることなどがあるという。これらのアプリケーションでは同じインフラ、データベース、開発ツール、レポートツール、UI、ユーザーログインを共有する。
重要なコンポーネントには以下のようなものがある。
- 多元的な勘定科目一覧表、複数通貨と複数企業での取引処理、各期間に対する累積予算と期初から現在までの予算の自動計算機能を備えたGL
- 請求から支払いまでの処理、請求書と経費の承認自動化、購入先の条件に基づいた期日と割引の自動計算機能を備えたAP
- 商談から現金化までの処理、全体と顧客勘定ごとの支払い条件、期日と決済割引の自動計算機能を備えたAR
FinancialForceによると、このアプリケーションの中核にある会計エンジンは、非常に多様な、あるいは複雑な企業の要件に対応できるという。このような要件には単一の元帳設計や多元的な勘定科目一覧表が含まれる。それによって、企業にリアルタイムBIが提供され、期間決済の短縮が促される。
会計エンジンに含まれているコンポーネントには、システム全体にまたがる複数通貨、国際税、複数企業の会計機能などがある。
FinancialForce Accountingは、リアルタイム財務分析やモデル化を行うように設計されている。財務諸表の生成だけが目的ではない。このソフトフェアは財務報告書テンプレートやユーザーが構成できるダッシュボードを用意しており、これらはモバイルデバイスからアクセスできる。
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