これからのERP選び
SAP、Oracle以外にもまだまだあるERP 8製品を比較(1/2 ページ)
ERP導入の成否は企業に重大な影響を及ぼすため、購入前に十分な下調べが必要だ。現在入手できる主要なERPシステムの概要を見てみよう。
ERPシステムにはさまざまな種類がある。製品指向のユーザー企業向けには、エンジニアリングや製造、在庫管理、サプライチェーン管理に重点を置くシステムがあり、サービス指向のユーザー企業向けには、顧客対応やプロジェクト管理と会計、販売とサービスに重点を置いたシステムがある。
導入形態もクラウド、オンプレミス、その両方のハイブリッドなどがある。主要なERPシステムは利用企業の要件に応えられるように差別化を図っている。
本稿では特徴的な以下のERPシステム8製品とその概要を紹介する。
- Epicor ERP
- Infor CloudSuite Industrial
- JD Edwards EnterpriseOne
- Microsoft Dynamics 365
- NetSuite ERP
- Oracle PeopleSoft
- Sage 100、Sage 100c
- SAP Business One
Epicor ERP
Epicor Softwareの「Epicor ERP」は、財務管理や人材管理のソフトウェアを中心に、顧客リレーション管理、生産管理、サプライチェーン管理(SCM)、製品管理、計画とスケジューリング、販売管理、サービス管理、プロジェクト管理を統合するソフトウェアも提供する総合的なERPシステムだ。
産業機械や電子・ハイテク、金属加工、ゴム・プラスチック関連などに特化したシステムを提供する。中小規模企業向けに業種別システムを用意しているため、業種ごとに調整する必要がないという利点がある。
グローバル企業がさまざまな国、業種、機器の要件に柔軟に対応できるアジャイルビジネスアーキテクチャを採用している。Epicorにはワールドワイドのコンサルティングスタッフもいる。
Epicor ERPはSaaS(Software as a Service)サブスクリプションとしても利用可能だ。また、オンプレミスに展開することも、IaaS(Infrastructure as a Service)システムとして展開して企業のIT担当者が実行、サポートをすることもできる。このシステムは、Microsoftのソフトウェアスタックで稼働する。
Infor CloudSuite Industrial
Inforの「Infor CloudSuite Industrial」は高度な計画とスケジューリング、顧客管理、在庫管理、生産工程自動化などを中核的機能とする。サプライチェーンの主要業務プロセスを自動化して管理し、需要に応じた供給を向上させることを目標としている。さらに分析機能でこれを強化し、ITの専門知識がないユーザーもレポートを作成できる。
財務管理は基本システムに直接組み込まれており、受注からエンジニアリングや製造、注文履行、出荷、支払い受領までのあらゆるアクティビティーを自動的に記録する。これらは自動的に財務情報に統合され、月次決算に必要な時間を節約できる。
自動車、印刷・包装、加工業などの業種別に特化したERPシステムを提供する。また、独自のシステム導入パッケージの定義済み業種別テンプレートを使えば、システムを素早く展開できる。
Infor CloudSuite IndustrialはWindowsプラットフォームで動作し、クラウド、オンプレミス、ハイブリッドのいずれの展開でも利用可能だ。クラウドに展開したい企業には、SaaSとしてホステッドモデルとサブスクリプションモデルの両方を提供し、アプリケーションマネージドサービスのオプションも用意する。SaaSライセンスオプションを選んだ場合、SaaSモデルとオンプレミス展開をシームレスに移動でき、ロックインのリスクがない。
サポートは3段階のレベルがあり、独習型と講師指導型のトレーニングコースをサブスクリプションで受講できる。オンプレミスシステムは従来型の無期限ソフトウェアライセンス契約で購入する。
JD Edwards EnterpriseOne
Oracleが提供するERPシステムの1つ「JD Edwards EnterpriseOne」は80個以上のアプリケーションモジュールをサポートする統合ERPスイートで、幅広いビジネスプロセスに対応する。消費財、製造、流通、資産集約型産業、プロジェクト指向・サービス指向企業に適したシステムを提供する。
中核的モジュールは財務管理、資産ライフサイクル管理、受注管理、製造管理がある。パーソナライズしたレポートを作成できるリアルタイム分析も提供する。
また、モバイルコンピューティングやモノのインターネット(IoT)、クラウドコンピューティング、リアルタイムの実用的分析機能に対応するアプリケーションに重点を置いている。
JD Edwards EnterpriseOneの新機能やアップデートは継続的デリバリーモデルで提供する。利用企業は入手可能または提供予定の機能やアップデートを評価して、自社の状況に応じて選択することができる。最近では、モバイルアプリケーション、レンタル管理、インメモリアプリケーション、農業関連産業アプリケーションや、製造、流通、プロジェクトとサービス市場向けアプリケーションの機能を提供した。
JD Edwards EnterpriseOneは、オンプレミスの他、パブリッククラウドやプライベートクラウドでの運用も選択できる。また、Oracleビジネスパートナーも独自のプライベートクラウドでホストするJD Edwards EnterpriseOneを提供する。
JD Edwards EnterpriseOneは複数のデータベースとハードウェアで実行可能だ。OSとしては「Oracle Linux」、Windows、「IBM i」(旧IBM OS/400)をサポートする。全てのバージョンで標準ベースの技術を使用する。
Oracleから直接購入する他、リセラーからも購入できる。モジュール方式なので段階的に新しいモジュールを購入することが可能で、必要な分だけの出費で済む。
ソフトウェアライセンスの料金は、ユーザー単位とパッケージライセンスの組み合わせで決まり、使用するモジュールや指定ユーザーライセンス(使用人数と使用レベル)で変わる。サブスクリプション料金はOracleパートナーが提示する。メンテナンスとサポートのサービスは別料金だ。
Oracleは30日間無料トライアルも提供している。
Oracleのアプリケーションとテクニカルサポートは年間メンテナンスの一部として提供される。OracleとJD Edwards認定パートナーはどちらも、Oracleスタックのアーキテクチャ、プランニング、実装、アップグレード、移行、トレーニング、マネージドサービスのコンサルティングを提供する。
Microsoft Dynamics 365
「Microsoft Dynamics 365」は複数拠点を持つグローバル企業向けのERPソフトウェアだ。財務管理や人材管理、SCMの機能を中心とし、小売り、製造、サービス、公共セクターに特化した機能も提供する。
主な顧客企業は製造、流通、サービス、公共セクター、小売業界の中堅企業や、大企業内の部門、事業部門、子会社で、その多くは複数の場所、複数の国で事業を展開している。
オンプレミス、ホステッドクラウド、「Microsoft Azure」パブリッククラウドのいずれかで導入できる。Windowsや「Windows Phone」、Googleの「Android」、Appleの「iOS」のデバイスで動作するモバイルアプリケーションもサポートする。
料金は1ユーザーごとで、各社のビジネスニーズに合わせて柔軟な設定オプションを選択できる。
モジュール単位で利用することもできるが、「Customer Engagement Plan」というソフトウェアバンドルがよく利用されている。このプランには次のプランが含まれている。金は1ユーザー当たり月額115ドル(日本価格:1万2510円)だ。
- 「Sales」
- 「Customer Service」
- 「Field Service」
- 「Project Service Automation」
- 「Microsoft PowerApps」
- 「Microsoft Flow」
「Dynamics 365 Plan」はCustomer Engagement Planの全モジュールに加え、次のモジュールを提供している。1ユーザー当たり月額210ドル(日本価格:2万2839円)だ。
- 「Manufacturing and Supply Chain」
- 「Retail」
- 「Commerce」
- 「Finance and Operations」
Microsoft Dynamics 365は、認定Microsoftパートナーから購入する。
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