「クラウドHCM」がここまで充実 選ぶべきサービスはどれだ?クラウドHCMの主要機能一覧も(1/2 ページ)

人事機能を総合的に提供するHCMシステムをクラウドサービスとして利用可能な「クラウドHCM」が充実してきた。クラウドHCMとは何者で、どのようなサービスがあるのか。

2017年09月28日 10時00分 公開
[Linda RosencranceTechTarget]

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画像 クラウドHCMが備える一般的な機能一覧(一覧表は会員限定でダウンロード可能)《クリックでダウンロードページへ移動》

 人的資本管理(HCM)システムを実現する上で、オンプレミスではなくクラウドの利用を検討する動きが広がっている。人材を戦略的に活用するタレントマネジメントの効率化や高度な従業員分析、業務環境の改善、関連コストの削減などが目的だ。

 クラウドサービスとして利用可能なHCMシステム(以下、クラウドHCM)には、具体的にどんな選択肢があるのかを把握するのは容易ではない。タレントマネジメントなど一部のHR(人事)機能をクラウドへ移行するのと、オンプレミスのHRの中核業務をカバーするシステムを完全にクラウドへ移行し、全く新しいHRシステムをクラウドで運用するのとでは、大きな違いがある。

 クラウドHCMを実現するベンダーやサービスには、どのような選択肢があるのだろうか。

 調査会社Nucleus Researchの主席アナリスト、ブレント・スキナー氏によると、クラウドHCM市場で最大の影響力を持っているのは、Ceridian HCM、Ultimate Software Group、SumTotal Systemsの3社だ。同氏はOracleの「Oracle HCM Cloud」も、クラウドHCMの選択肢として提示する。同氏はNucleus Researchが発行したHCMに関する報告書「HCM Technology Value Matrix 2016」の著者である。

 Ceridian HCMの「Dayforce HCM」は、従業員の雇用に伴う基本項目(給与、勤務時間、勤怠など)の管理、人員を適切に配置する「ワークフォースマネジメント」(WFM)の他、分析やHR関連ドキュメントの管理など、幅広い人材管理機能を1つのアプリケーションで提供する。こうした広範な機能を提供していることもあり、同社は「クラウドHCMを手掛ける他のベンダーを引き離している」とスキナー氏は説明する。

 Ultimate SoftwareのクラウドHCMサービス群「UltiPro」は、給与管理から人材獲得に至るまで、HCMの幅広い機能を組み込んでいる。勤怠や福利厚生などの管理機能、タレントマネジメント機能を提供し、WFM機能の一部も備える。Nucleus Researchの報告書は、UltiProの投資対効果の高さを評価している。

 SumTotal SystemsのHCMシステムは、クラウドでもオンプレミスでも利用できる。スキナー氏が同社のHCMシステムで「興味深い」と指摘するのは、利用形式にかかわらず、常にユーザー企業がソフトウェアの最新バージョンを利用できることだ。タレントマネジメントとラーニング用の広範な機能も含む。

 OracleのOracle HCM Cloudは、給与/勤怠管理やWFMの各機能に加え、タレントマネジメント機能を含む広範なHCM機能を備える。「この製品は大企業向けだ」とスキナー氏は報告書に記している。同氏によると、従業員数2万5000人以上の大企業が、Oracle HCM Cloudを導入した例もある。

 社内ソーシャルネットワーク機能も備えており、これにより多角的な業績評価とコラボレーション型ラーニングが容易になる。モバイル対応機能を利用すれば、マネジャーは業績に関するフィードバックをリアルタイムで送信できる。

 Oracle HCM Cloudの予測分析機能は、社内ソーシャルネットワーク機能を含むシステム全体で収集したデータを使って、従業員の業務効率の改善を支援する。例えばマネジャーは、離職を考えている従業員を見つけ、思いとどまらせるための対策を講じることができる。

クラウドHCMが備える一般的な機能一覧

クラウドHCMの一般的な機能をまとめた一覧表をPDFファイルで提供しています。「クラウドHCMが備える一般的な機能一覧」からダウンロードしてください。


HCMはクラウドがデフォルトに

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