今度こそ会計業務のペーパーレス化【第3回】
「電子帳簿保存法Q&A」徹底解説:中小企業のペーパーレス会計、こんな時はどうする?(2/2 ページ)
紙で作成された資料(国税関係書類)の管理方法について
他社から紙で提供された契約書などを、会計ソフトではどう取り扱うのか
契約書については会計ソフトと直接関連しないが、請求書や領収書といった書類について、仕訳の根拠情報として関連付けて管理する必要がある。会計ソフトでスキャンデータを取り扱う場合の管理方法としては、以下が考えられる。
- スキャンデータを会計ソフトに取り込む方法
- スキャンデータを別途保存し、会計ソフトと別々に管理する方法
会計ソフトがスキャンデータの管理機能を持っているのであれば、仕訳に関連付けた状態で管理することで利便性が上がる。
紙の書類はどんなタイミングで捨てたらいいのか
スキャン保存による運用に大きな問題が出なければ、原始証憑(請求書や領収書など、取引があったことを証明する書類)としての紙書類を破棄することは可能である。しかし、原始証憑としてスキャンデータが十分に機能することが確認できるまでは、データと並行して紙の資料を保存しておくのが安全である。
なお外部監査人による会計監査を受ける規模の事業体においては、電磁的記録(スキャンデータ)が「十分かつ適切な監査証拠」として採用されないことがあるため、監査人と慎重に協議を進めたうえで方針を決めるべきである(日本公認会計士協会 自主規制・業務本部 平成27年審理通達第3号「平成27年度税制改正における国税関係書類に係るスキャナ保存制度見直しに伴う監査人の留意事項」を参照)。
文書保管環境について
文書保管環境はどのように構築するのか
スキャンした書類のデータは随時検索できる状態にした上で、しかるべき文書保管環境にて運用することが求められる。社内向け電子文書キャビネットや社内ファイルサーバのほか、適切なアクセス権限が設定されたクラウドストレージの利用なども積極的に検討していきたい。
スキャンした書類の検索性はどのように確保するのか
国税関係書類のスキャンデータについては検索可能性の確保が必要になるが、具体的には以下の方法が想定されている。
- 半自動検索
- 自動計算
- 全自動検索
相互関連性や検索機能の確保に当たってはソフトやシステムの操作説明書、オンラインヘルプ、オンラインマニュアルなどを参照する(問20、28)。
マスターデータや連係システムのデータについてはどの範囲まで保存するべきか?
単価データなどのマスターデータは会計年度中で頻繁に更新されるため、全て保管する必要がある。また、販売システムなどの業務システムと会計システムが連係している場合、会計システムのみでなく連係する業務システムのデータも保管する必要がある(問38、39)。
バックアップデータの保管はどうするのか
改正法では、外部記憶媒体に保存する場合の要件は特に定められていないため、バックアップデータの保存も要件にはなっていない。一方で、将来的に紙資料を廃棄する運用を想定すると、一定タイミングでのバックアップを想定しておくべきである(問23、25)。
参考:電子帳簿保存法Q&A(平成27年9月30日以後の承認申請対応分)
- 問23「国税関係帳簿書類の電磁的記録について、外部記憶媒体へ保存することとする場合の要件はどういうものがありますか」
- 問25「国税関係帳簿に係る電磁的記録の検索機能における主要な記録項目において、総勘定元帳の「記載年月日」とは、いつ時点のことをいうのでしょうか」
(国税庁)
導入プロジェクトを通じてさまざまな考慮要因がある。失敗しない導入を進めるため、上記の留意点を参照いただけると幸いである。
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今度こそ会計業務のペーパーレス化
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