伝統工芸とITが交差するとき、アイデアが生まれる
Raspberry Piで作業を自動化 製造業なら今すぐ試したいデジタルテクノロジー4選
伝統技術を有する製造業にアイデアをもたらすであろう、3Dプリンタ、デジタルモデリング、自動化とマイクロコントローラー、拡張現実(AR)という4つのテクノロジーの実例を紹介する。
伝統工芸や伝統技術が見直されている。同時に、これまでにないテクノロジーの使い方が数多く考案され、誰でも利用できるようになっている。今こそ創造力を発揮するときだ。デジタルと現実の世界が融合し、昔ながらの製造技術と最新技術との線引きが曖昧になっている。そのため、モノ作りメーカーには、デジタルツールを使って自社の業務を強化拡大する方法を学ぶことで自社の裾野を広げる興味深いチャンスがたくさんやってくるだろう。
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3Dプリンタ
デジタルと現実を融合させる方法として最も分かりやすいのが3Dプリンタだ。これは文字通り、デジタル上で作成したものを物理的なモノとして形作る。仕組みを簡単に説明すると、3Dプリンタは、従来のプリンタがインクを重ねていくのとほぼ同じ方法で、少量の物理素材(プラスチックや金属など)を積み重ねていく。ただし、3Dプリンタはこのプロセスを何層も繰り返すことで、対象物を3次元にすることができる。
既存のメーカーは、この技術を自社の工程に取り入れることができる。例えば、製造プロジェクトで選択した材料を使って完成品を作る前に、プロトタイプモデルを作成してプリントできる。彫刻家なら、実際に石などの高価な素材に彫刻したり、金型で成型する前に、安価なプラスチックでモデルを作成したりできる。
デジタルモデリング
3Dプリントを使用して実際のモデルを作成しなくても、デジタルモデリングソフトウェアの使い方を学ぶことで、社内の作業時間を短縮し、材料の消費を大幅に抑えることができる。これから製作するモノを理解し、組み合わせる方法を把握すれば、製作過程のさまざまな面が容易になる。中でも恐らく最も重要なことは、PCが計算する正確な測定値が分かることだろう。
具体的には、膨大な種類の素材を使い、多くの部品で構成される形状が複雑な製品を作り出す製造工業デザイナーや製品デザイナーの役に立つ。プロジェクトを最初から最後まで計画して3Dモデルを作成するのは、実際の工程と変わらない骨の折れる作業が必要になる。だが、それによって、イメージを顧客と共有して承認を得たり、デジタルポートフォリオの一部に含めたりすることができる。
自動化とマイクロコントローラー
対話型のオブジェクトを作成し、従来の製作工程にスマートな機能を追加するために普及が広がっているテクノロジーが他にもある。それは、センサー、マイクロコントローラー、小型PC(「Raspberry Pi」など)の利用だ。例えば、舞台演出の世界では、PCが制御した対象物の移動や自動化は新しいものではない。だが、「Arduino」やRaspberry Piのような比較的高性能で低価格の製品が開発されたことで、メーカーが分野を問わず限られた予算内で利用できるようになっている。
こうしたテクノロジーの使い方を多少学べば、創作活動の幅を広げ、製作物にこれまでにない可能性が開かれる。
拡張現実(AR)
拡張現実(AR)は(スマートフォンなどを経由した)現実世界の光景にデジタル画像を重ね合わせる。ARは、あらゆる種類のメーカーに多くの興味深い可能性をもたらす。視覚に訴えるアーティストやイラストレーターは、PCで描画するソフトウェアを使い慣れていることが多い。だがARは、そのようなクリエイターが現実世界を操ったり、他の製作者と共同で独自のプロジェクトに取り組んだりする際に、全く新しい方法をもたらす。例えば、ミクストメディアアーティストは彫刻やコラージュなどの芸術作品を制作し、スマートフォンアプリを使って図解要素を重ねて表示することができる。
同様に、インスタレーションアーティストは、ARで利用できる対話型の要素を生み出すために作品の発表会場を操作することができる。既に一部のデザイナーやプログラマーは、卓上用ゲームの没入感を高めるためにARを利用している。
彫刻や溶接造形など、あらゆるタイプのデザイナーはデジタルツールを使って、自身の作品や趣味を新たな高みに引き上げることができる。例えば、ミニチュアサイズのプロトタイプの作成や、Arduinoのようなマイクロコントローラーを使用した自動化や部品の移動が可能になる。ツールが最も優れている点は、それ自体が最終製品ではないことだ。ツールはこれまでにないアイデアを生み出し、そのアイデアを突き詰めることを可能にするだろう。
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