使いやすく、割安なのは?
AWS、Azure、GCPのコンテナレジストリを比較 Docker Hubとの違いは?
コンテナイメージのレジストリとして「Docker Hub」を使っている開発者は少なくないが、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft、Googleが提供するサービスを利用するという選択肢もある。これらの特徴を比較してみよう。
パブリッククラウドの3大プラットフォームである「Amazon Web Services」(AWS)、「Microsoft Azure」(Azure)、「Google Cloud Platform」(GCP)は、いずれも「Docker」のコンテナイメージを格納、管理するためのレジストリを提供している。これらのレジストリの料金や機能には違いがある。開発者はどのレジストリを使うかを決める前に、その違いを知っておくべきだ。
パブリッククラウドベンダーが提供するコンテナイメージのレジストリを使用することで、ユーザーはコンテナイメージの保存、管理、デプロイができる。主要な選択肢として「Amazon Elastic Container Registry」(Amazon ECR)、「Azure Container Registry」「Google Container Registry」の3つがある。
開発者が特定のクラウドベンダーのコンテナサービスを使っているとしても、コンテナイメージのレジストリについては、そのクラウドベンダーのサービスを利用する必要はない。「Docker Hub」のようなサードパーティー製のレジストリを使うことはよくある。だがクラウドベンダーのレジストリを使うことは、サードパーティー製を利用するよりもいい選択になる場合がある。その理由を説明しよう。
料金体系の違いは
これら3つのパブリッククラウドベンダーが提供するレジストリを比較する際、最大の違いになるのは料金体系だ。
Amazon ECRは、レジストリに保存できるデータ量と、レジストリからインターネットへデータ転送する際に使用するネットワークの帯域幅に応じて課金する。ユーザーはAWSの同一リージョン内においては、Amazon ECRと「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)の間は無料でデータを転送できる。だが、異なるリージョンにまたがってデータ転送する場合は、料金が発生する。Amazon ECRの料金の詳細は、レジストリを管理するAWSのリージョンによって異なる。なお、一定の上限までは、データの保存、転送とも無料だ。
Azure Container Registryの料金体系はもう少し複雑で、3つのサービスレベルがある。サービスレベルごとに使用できるストレージの容量が異なり、日額の定額料金がある。ここまでならシンプルであるが、これに加えてネットワークの利用料金がかかる。さらに、コンテナイメージの構築は、CPUの稼働時間に応じて1秒当たり0.00005ドル課金される。大半のユーザーにとってコンテナイメージの構築にかかる料金は微々たるものだが、頻繁に再構築する必要のある環境では、コストがかさむ可能性がある。
Google Container Registryの料金体系は、Amazon ECRと似ている。ユーザーは使用するストレージの容量とネットワーク帯域幅に応じて料金を支払う。ただしGoogle Container RegistryはAmazon ECRと異なり、複数リージョンのストレージバケットにデータを保存することがデフォルトになっている。
その他の重要な違い
コンテナイメージを複数のリージョンに分散させて管理することで、地理冗長(異なる2つ以上の拠点でデータの冗長性を確保すること)が実現できる。これにより、あるリージョンでコンテナイメージが使用できなくなった場合、ユーザーは別のリージョンのコンテナイメージにアクセスすればよい。また、この地理冗長によってコンテナのパフォーマンスを向上させることもできる。コンテナイメージを、ユーザーに近いデータセンターに配置しておけるためだ。
この地理冗長についても、クラウドベンダーごとの違いがある。
Google Container Registryは、地理冗長をデフォルトで提供する。Azure Container Registryでは、ユーザーはジオレプリケーション(地理的に離れた場所にデータを複製、格納する)を構成できる。ただしこの機能を利用できるのは3つのサービスレベルのうち、最も高価な「PREMIUM」レベルのみとなっている。
Amazon ECRは、コンテナイメージを複数リージョンに分散させる直接的な方法を提供せず、単一リージョンでの利用を前提にしている。Amazon ECRで地理冗長を実現するには、異なるリージョンで複数のレジストリを手動でセットアップする必要がある。異なるリージョン間でコンテナイメージの同期を保つには、かなり手間がかかる。
Amazon ECRとAzure Container Registryでは、開発者はレジストリ内のコンテナイメージをWebのポータルサイトから管理できる。また、どちらのレジストリも、コマンドラインインタフェース(CLI)を使ってコンテナイメージを管理できるオプションを提供している。一方、Google Container Registryでは、コンテナイメージのプッシュ、プルを実行するには、開発者はGoogleのソフトウェア開発キットのコマンドラインツールを使う必要がある。
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