IAMエンジニアはいつも人材不足
「IDおよびアクセス管理」(IAM)はセキュリティの“花形”、製品と技術を追う
IDおよびアクセス管理(IAM)は企業のセキュリティ戦略の中心に存在する要素だ。優れたIAM戦略を考案するには、最新のツールやトレンドを常に把握しておくことが重要だ。求人や教育プログラムも意識しなければならないだろう。
セキュリティの脅威が高まりユーザーのプライバシー設定管理が難しくなるにつれ、IDおよびアクセス管理(IAM)が、企業にとってますます不可欠になる。
幸いなことに、IAM製品のテクノロジーは進化しており、以前よりも効果的に扱うことが可能だ。
本稿では、新たに登場しているIAM製品とツールを取り上げ、強力なIAMチームを作り上げるために必要なことを確認する。
変化するIAMを取り巻く状況
さまざまなIAM製品のベンダーが登場し、各社がそれぞれIAMの異なる側面に重点を置いている。Ping IdentityやForgeRockなどのIAMベンダーが、属性交換から認証まで幅広いサービスを提供する。
さらに注力分野を絞り込んでいるベンダーもある。例えば、TruliooやSignicatなどは、オンラインエンドユーザーを特定するIDデータの収集に重点を置いている。他にもOpenIDは、エンドポイント間での属性交換サービスやID情報の共有に力を注いでいる。
FacebookやGoogleのような企業も、テクノロジー企業として幅広いサービスを提供しているが、自社のログイン資格情報を使用して、エンドユーザーがさまざまなサードパーティーベンダーで認証を受けられるようにしている。
IAMの今後
現状のIAMベンダーの多くは、パスワード入力などのユーザー操作を利用して、特定のシステムにアクセスできるようにしている。だが専門家の予測では、今後2~3年以内に、エンドユーザーは既知のモノ、場所、画面設定などをアクセス資格情報として使用できるようになるという。
IAM製品は今後、人工知能(AI)コンポーネントとの統合が増え始めると思われる。SailPoint Technologies「SailPoint」のようなシステムは既にAIを導入して、ユーザーの場所を判断し、確定的にID管理をサポートする。例えば、普段はニューヨークでログインして働いているエンドユーザーが突然ロシアからログインした場合には、赤い警告フラグが立てられる。
他にもIAMツール向けのセキュリティ強化が登場している。RSA Securityの「RSA SecurID」は、エンドユーザーIDの検証機能を、ユーザーのスマートフォンや最新のPCにチップレベルで組み込んでいる。IAM製品では、社内ディレクトリなど、他のITツールの情報を使用して、エンドユーザーが特定のアプリにアクセスできるかどうかを判断できる。
ネットワークトラフィックやパケットを分析して、エンドユーザーのアクティビティーを検証できるIAM製品もある。
IAMとクラウド
IAM分野の重要なトレンドとして、IAM as a Serviceが登場し、IT担当者の手を煩わせる部分がますます少なくなっている。IAM as a Serviceは、IAMインフラ全体をクラウドで運用し、サービスベンダーがバックエンドを管理できるようにして、IT担当者が日常的にやっている管理作業を軽減する。
金融業界や医療業界など、規制上の理由からIAM製品をオンプレミスで管理する企業もある。IAMシステムの主導権をサードパーティーベンダーに渡したくないIT部門は、引き続き制御のレベルを維持することが可能だ。多くのIAM as a Serviceベンダーは、IT部門が顧客の個人情報や位置情報などのデータを社有のデータベースに格納できるようにしている。
IAMのクラウド戦略によって、企業インフラのシームレス化と自動化を実現できる。ただし、まず信頼性の高いクラウドベンダーを見つけることが重要だ。
需要が高まるIAMエンジニア
人手を掛けずにIAMの利用を考える企業もあるが、それによってIAMエンジニアの活躍の幅が狭くなるわけではない。事実、ボストンやシリコンバレーのようなテクノロジーの主要拠点では、IAM関連職の求人が多数あり、人材不足で空きが埋まらない状況だ。
IT部門が既存の人材を育成して、IAMを扱えるようにすることは可能だが、IAM関連職に不可欠なソフトスキルには教えられないものもある。IAMエンジニアは柔軟かつクリエイティブで、難しい質問にも嫌がらずに答えなければならない。
IAM人材の育成を考えているIT部門は、体系的なアプローチを採用する必要がある。まず、セキュリティ部門、運用部門、開発部門のうち、どこがIAM職の配属先として適しているかを判断する。指導者は、IAM基本トレーニングとベンダー固有のトレーニングを組み合わせて実施する必要がある。そして、IAMエンジニアに必ずCISSP(Certified Information Systems Security Professional)認定を取得させるべきだ。
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