業界特化型、ゼロクライアントなどさまざま
主要15社のシンクライアントを徹底比較 Chromebook、Raspberry Piもあり?(4/4 ページ)
NComputing
NComputingは、スティックPCをクライアントやサーバ製品に組み込む。以前は独自のプロセッサやクライアントハードウェアを設計していたが、研究開発コストが高くなり、2年をかけて新しいシンクライアントに開発を切り替えた。これを契機に同社の方針は変わっている。
「2年前、当社は基本的に『Raspberry Pi 3』デバイスを利用して商用の信頼性が高い企業向けシンクライアントを開発するプロジェクトに乗り出した」と話すのは、NComputingで最高技術責任者(CTO)を務めるリチャード・シャー氏だ。
NComputingのシンクライアントの基盤となるRaspberry Pi 3コンピュータは安価なため、同社が用意するオプションも非常に安価になっている。例えば、「RX300」は約99ドルで入手できる。
NComputingは他にもデスクトップ型シンクライアントや、Microsoftの「Microsoftリモートデスクトップサービス」、Citrix Systems製ソフトウェア、独自の「VERDE VDI」など、多様なソフトウェアオプションを提供する。
ブリティッシュコロンビア州の私立学校Star of the Sea Catholic Schoolと物流企業DHL Peruは、NComputingのシンクライアントを導入した組織の一例だ。学校や中小企業が同社の主要顧客基盤になっている。シャー氏によると、同社はここ10年の間にこうした組織に約600万台のシンクライアントを導入したという。
Raspberry Pi Foundation
最も基本的な形式のデスクトップシンクライアントがコンピュータボードだ。これは、CPU、RAM、ストレージ、端子を備えるキャリアボードから成る非常にシンプルなデバイスだ。Raspberry Pi Foundationはこの種のコンピュータの製造に特化することで知られている。こうしたコンピュータボードは安価で、同梱物なしの標準デスクトップシンクライアントと比べても10分の1程度の価格だ。
安価でもスペックが劣るわけではない。例えば、「Raspberry Pi 3 Model B+」(34.99ドル)は64bitの1.4GHzクアッドコアプロセッサ、USB端子4つ、HDMI端子1つを搭載し、Wi-Fi、Bluetooth、イーサネットをサポートする。
ただし、Raspberry Piコンピュータは特にシンクライアントを考慮に入れて設計されているわけではない。
「幸運にも、Raspberry Piの標準機能セットとシンクライアント市場の要件との相性が良かった」とRaspberry Piの開発者エベン・アプトン氏は話す。
Raspberry Piと共に使用するVDIソフトウェアとしてどれがお勧めかを聞かれた同氏は、次のように答えた。「『Citrix Workspace アプリケーション』が最適だ。Raspberry Piプラットフォームを中心とする素晴らしいエコシステムを築いている。当社は、Raspberry Piをシンクライアントとして利用したいユーザーには大抵Citrix Workspace アプリケーションを検討するよう勧めている」
Samsung
韓国企業のSamsungが一般消費者と企業の両方に提供する膨大な数の製品の中には、デスクトップ型シンクライアントシステムも少数だが含まれる。同社の「NX-N2 - NX Series Tera2 Zero Client Desktop」は、USB端子6つとディスプレイ端子1つを搭載するゼロクライアントだ。同社はオールインワン型シンクライアントも幾つか用意している。
さらに、同社はノートPCとコンバーティブル型2-in-1デバイスを含む、十数種類のChromebookモデルも提供する。このようなデバイスにはおよそ12型のスクリーンが搭載され、各デバイスにはさまざまな種類のIntelプロセッサが採用されている。
だが、同社が提供するのはこれだけではない。Samsungは、PCを同社の最も強力なスマートフォンに置き換えることを企業に提案している。同社が提供するソフトウェア「Samsung DeX」は、Android OSを搭載したスマートフォンをディスプレイ、キーボード、マウスに接続してデスクトップのように機能させることができる。同社は、Samsung DeXのホワイトペーパーで次のように述べている。「IT部門は重複する部分が増えたインフラをサポートするのに必要なコストと時間を細部まで見直す時期に来ている。早いうちにモバイル専用の環境に移行できれば、コストを大きく削減し、多くの注目を集めることができる」
Samsung DeXの主なデメリットはソフトウェアに制限があることだ。「Microsoft Office」やその他の強力なアプリケーションをAndroidで利用することは可能だが、ユーザーは実行しているアプリケーション1つにつき、一度に1つのドキュメントしか表示できない。
Siemens
ドイツに拠点を置くSiemensは、Advantechの製品と真っ向から勝負するため設計した工業用シンクライアントを製造している。この種のシンクライアントは倉庫、工場などの厳しい条件下で利用できるように設計されているため、製造業界に最適だ。
Siemensのオールインワンシンクライアントはサイズが12~22型のタッチスクリーンを搭載する。また、最高温度50℃にも耐えられるため、不確かな条件下にあるコントロールセンターに導入するのに最適なハードウェアだ。同社のシンクライアントは業界やユースケースに応じて、スタンドアロン製品として、または幾つかのコントロールステーションとともに利用できる。
10ZiG Technology
競合する大手ベンダーとは異なり、10ZiG Technologyはシンクライアントとゼロクライアントの製造に完全に特化している。米国に拠点を置く同社は、複数のデスクトップモデルを用意しているが、モバイルモデルは扱っていない。同社のデバイスはMicrosoft、Citrix Systems、VMware、ParallelsのVDIソフトウェアと互換性がある。
基本モデル「10ZiG 4400 Series Thin Client」(315ドル)には、1.33 GHzのIntelデュアルコアプロセッサが用いられ、USB端子4つとビデオ端子2つを搭載する。もっと強力なデバイスを探している企業には、2.4GHzのクアッドコアプロセッサ、USB端子8つ、ビデオ端子2つを搭載する「10ZiG 7800q Series Thin Client」(739.99ドル)がお勧めだ。
同社は、米ネバダ州クラーク郡の州検事、Krispy Kremeなどの顧客から高い評価を得ている。
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