ハイブリッドクラウドでAWS、Azureを追うGoogle
VMware製品で「Google Cloud Platform」の機能が使える新プラグインの実力は?
「VMware vRealize Automation」の管理コンソールで「Google Cloud Platform」を操作できるプラグインが登場した。ハイブリッドクラウドで先行するAWSとMicrosoftを追い上げようとする、Googleの取り組みの一環だ。
VMware製品によるオンプレミスの仮想環境から、クラウドサービス群「Google Cloud Platform」(GCP)のリソースを同一の管理コンソールで操作できるようになる。これによりVMwareユーザーはGCPとのハイブリッドクラウド環境を構築しやすくなる。
この運用を実現するのは、VMwareとGoogleの両社が2018年7月に発表した、マルチクラウド/ハイブリッドクラウド管理自動化ソフトウェア「VMware vRealize Automation」で、GCPの機能を実行するためのプラグインだ。このプラグインは、ワークフロー作成・実行ソフトウェア「VMware vRealize Orchestrator」に接続する。VMware vRealize Orchestratorは、VMware vRealize Automationのライセンスに含まれる。サーバ仮想化ソフトウェア「VMware vSphere」による仮想環境と、GCP環境の一貫した操作性が実現する。
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ハイブリッドクラウドを実現する製品とは
プラグインに盛り込んだ機能
VMwareとGoogleはこのプラグインの提供に当たり、ユーザーの要望を反映した機能を盛り込んでいる。それらの多くは当初の計画には含まれていなかったもので、プラグインのテスト運用中にテストユーザーから寄せられたフィードバックを基にしたものだ。例えば、以下のGCPサービスの機能をVMware vRealize Automationで操作できる。
- コンテナオーケストレーションサービス「Kubernetes Engine」(GKE)
- データベースサービス「Cloud SQL」「Cloud Spanner」
- ファイルストレージサービス「Cloud Filestore」
- メッセージングサービス「Cloud Pub/Sub」
エラーを検知した際には、メールでサポートチームに自動で通知を送信する機能がある。このプラグインの提供に当たってVMwareとGoogleの両社は、パフォーマンスや信頼性、使いやすさといった点を重視した。
クラウドの利用が広がっても、依然としてVMwareの影響力が高い点は興味深い。調査会社IDCのメアリー・ジョンストン・ターナー氏は「これはハイブリッドクラウドやマルチクラウド分野におけるVMwareの役割を明確に示している。オンプレミスに対する企業の関心が引き続き強いことの裏付けにもなる」と説明する。
GCPの競合サービスである「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」(Azure)は、既にVMware製品とパブリッククラウドを連携させるための機能を提供していた。Googleにとってこのプラグイン提供の目的は、AWSとMicrosoftの2社をハイブリッドクラウドの分野で追随することでもある。
ターナー氏は「このプラグインは『VMware Cloud on AWS』ほど包括的なものではない」と指摘する。VMware Cloud on AWSは、VMware製品による仮想環境をAWSのベアメタルサーバで構築するサービスだ。
これに加え、AWSはパブリッククラウドの機能をオンプレミスでも提供するためのアプライアンス製品「AWS Outposts」を発表した。提供開始は2019年後半となる見込みだ。AWS Outpostsは顧客のデータセンターに配置することを想定しており、AWS独自の管理コンソールに加え、VMware製品を使って管理できる。
Googleは「Anthos」(旧『Cloud Services Platform』)を発表した。これはオンプレミスのデータセンターとパブリッククラウドを、コンテナベースの同一環境で管理してハイブリッドクラウドを実現するサービスだ。オンプレミスではVMware製品による仮想環境に実装できる。
数年前、オンプレミスシステムの大部分が最終的にはパブリッククラウドに移行するだろう、と考える業界関係者は少なくなかった。しかしこれは現実のものとはなりそうにない。ターナー氏によればこれには幾つかの理由がある。一つは、アプリケーションを実行するアーキテクチャが急速に進化し、クラウドの利点をオンプレミスでも実現できるようになったことだ。別の理由として、クラウド環境ではオンプレミスと比べて遅延が発生しやすい点や、企業のデータ保護のポリシーによってクラウドを利用できないアプリケーションが存在する点などがある。
クラウドと連携しつつオンプレミスの環境を残すハイブリッドクラウドが合理的だという認識が広がった。さらにはコンテナベースでより小さなコンポーネントに分割してアプリケーションを構成するマイクロサービスアーキテクチャも台頭し、全てがクラウドに移行するという考え方は現実的ではなくなったようだ。ターナー氏は「企業は、クラウドとオンプレミスを使い分ける方法に精通し、どのアプリケーションをどこで実行すべきかを正しく判断できるようになるだろう」と語る。
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