AWSは「AWS Outposts」を使ってクラウドのソフトウェアをオンプレミスに移そうとしている。AWS Outpostsは、「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)と同じハードウェアを採用するマネージドサービスだ。
Amazon Web Services(AWS)がハイブリッドクラウドを利用しようとしている企業ユーザーに歓迎されると予想される重要な一歩を踏み出した。AWSのクラウド環境をオンプレミスで実現するための製品「AWS Outposts」のリリースだ。
AWS Outpostsは、AWSのハードウェアとソフトウェアで構成されるコンピューティングおよびストレージの機能を1つのラックに収め、顧客のデータセンターに配置できるように設計されている。AWSはこのラックを提供するだけではなく、顧客向けに導入、構築およびメンテナンスも実施する。最高経営責任者(CEO)であるアンディー・ジャシー氏自らが、AWSが主催する年次イベント「AWS re:Invent 2018」でこの提供方針について説明した。
Microsoftの「Azure Stack」やOracleの「Oracle Cloud at Customer」も、クラウドソフトウェアを詰め込んだ特殊なハードウェアを、顧客のオンプレミス環境に配置する製品だ。AWS Outpostsに先駆けてこうした同様のサービスは登場していた。クラウドベンダーによるオンプレミス向けの製品は、Dell EMCやHewlett Packard Enterpriseなど、データセンター向けにハードウェアを提供するベンダーと競合する。MicrosoftやOracleと同様、AWSは他のどのサードパーティーベンダーによるオンプレミスのハードウェアと組み合わせるよりも、自社のクラウドとAWS Outpostsを統合することが最も適切だと主張できるようになった。
「クラウドとオンプレミスの環境を同じにしてベンダー1社で管理する。これは、最高情報責任者(CIO)が求めるワークロードの移植性を実現する上で鍵を握る。どのCIOもこのことの重要性を認識している」。こう話すのは、調査会社Constellation Researchでバイスプレジデント兼主席アナリストを務めるホルガー・ミューラー氏だ。
顧客もクラウドと同様の環境をオンプレミスに導入したいと望んでいる。オンプレミスとクラウドの環境が異なると、データの管理・統制の難しさやネットワークの遅延という懸念が生じるためだ。
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