IaaS契約で後悔しない6つのチェックポイント【前編】
IaaSの「解約時違約金」「パフォーマンス低下」を避ける契約時のコツ
IaaSは必要に応じて拡張縮小したり、他のサービスに移行したりできる変更の容易さがメリットだ。ただし自社の要件に合った契約でないと、こうしたメリットを生かせないことがある。
IaaS(Infrastructure as a Service)の利用を検討するときは、サービス品質保証契約(SLA)をはじめとした、複雑な各種の契約内容を理解しなければならない。このような契約には定型表現だけではなく、注意すべき隠れた追加条項や手数料も存在する。
SLAの読み合わせは、IaaSの契約時に対処が必要なリスクを特定するのに役立つ。具体的には、
- 料金やライセンス体系
- システム運用における責任の所在
- コンプライアンス
- セキュリティ
などのリスクがある。
前後編にわたり、IaaSの契約内容を確認したり、交渉したりする際のポイントについて説明する。
早期解約時の違約金に関する条件
IaaSを契約する際は、早期解約時の違約金の発生条件を確認しておくべきだ。アプリケーションのニーズに合わせて、パブリッククラウド、プライベートクラウド、マネージドサービスなど最適なインフラにその都度変更したいと考える企業にとって、違約金の支払いを避けられるかどうかが重要になる。違約金を回避できることは、単に快適なだけではない。IT部門は特定のベンダーや契約に縛られることなく、必要に応じてニーズに合わせてインフラを再構築できるようになる。インフラ間の移行の容易性は、IaaS契約の交渉において最も重要なポイントだ。
現在利用しているソフトウェアやハードウェアについても、ソフトウェア/ハードウェアベンダーとの契約内容によっては、インフラの移行に伴って違約金が発生することもある。オンプレミスのインフラからIaaSへ移行する際、利用中のソフトウェアライセンスやハードウェアを移行先のIaaSへ持ち込むことができれば、違約金の支払いを回避できる場合がある。
責任の所在
契約書に目を通して、IaaSベンダーと、自社のIT部門の間における責任の所在が明らかになっていることを確認するのが望ましい。サービス停止のリスクを緩和するために、役割と責任を明らかにした共同管理サービス契約を追加で策定することも推奨する。
可用性とパフォーマンス
SLAをはじめとした契約の適用先がIaaSの個々のコンポーネントなのか、IaaS全体なのかを特定しておくことも重要だ。例えばネットワークの問題やドメインネームシステム(DNS)エラーといった外部要因によって、仮想マシンのパフォーマンスが低下した場合は、誰がどう対処するかといったことを明確化する。
障害が発生してIaaSで構築したシステムが利用できなかったり、パフォーマンスが大幅に低下したりすれば、何の役にも立たなくなってしまう。IaaSでシステムを構築するときには、可用性とパフォーマンスの問題を防ぐために、ベンダーまたは自社の中から状況に応じた担当者が復旧に当たれるようにすることが大切だ。
「ユーザー企業は、ベンダー側に原因がある問題から身を守る手段を、自ら構築したいとは望まないだろう」と、クラウドコンサルティング会社Database Service Provider Global(DSP)でOracleクラウドサービスの責任者を務めるフィリップ・ブラウン氏は指摘する。クラウドベンダーのSLAは、全てが完璧に動作することを保証しているとは限らない。一方で将来のサービス利用料の支払いに充当できる「サービスクレジット」などの補償がある場合は、補償に関する情報を提示している。
後半は、利用料金の抑制やコンプライアンス(法令順守)などの観点から、IaaS契約時に確認すべきポイントを詳しく説明する。
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IaaS契約で後悔しない6つのチェックポイント
IaaSを契約する際には、責任、コスト、セキュリティなどの条件を包括的に理解し、納得することが重要になる。IaaSの契約締結時に確認すべきポイントを説明する。
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