いまさら聞けないSLA(サービスレベル契約)、その本当の意味は?クラウドを利用するなら確認は必須

「サービスレベル契約」(SLA)は、サービスの提供者と利用者の間で交わされる契約だ。SLAには、サービス提供者が提供するサービスの内容や満たすべき性能基準が記載される。

2017年08月09日 05時00分 公開
[Margaret RouseTechTarget]

 「サービスレベル契約」(SLA)では、サービスプロバイダーが提供するサービスの性能と品質に対する利用者の期待値を、さまざまな評価基準を用いて規定する。SLAに記載する評価基準には次のようなものがある。

  • 可用性とアップタイム(サービス提供時間のうち実際にユーザーがサービスを利用できる時間の割合)
  • 性能のベンチマーク値(定期的に実際の性能と比較する)
  • アプリケーションの応答時間
  • ユーザーに影響が及ぶ可能性のあるネットワーク設定の変更について事前通知するタイミング
  • さまざまなレベルの問題に対するヘルプデスクの回答時間
  • 稼働統計情報(ユーザーに定期的に開示する)

 SLAには、ユーザー企業のインフラの種類に応じて、社内ネットワークやサーバ、無停電電源装置(UPS)など、さまざまなインフラコンポーネントの可用性や性能の目標値を設定することになる。

ペナルティーと例外事由

 SLAには通常、性能評価基準の他、ダウンタイム発生時の対応や契約したサービスレベルが未達となった場合の補償についても明記する。補償方法として一般的なのは、サービスクレジットによる月額料金の返金だ。サービプロバイダーはSLAに明記した返金率に基づき、顧客にサービスクレジットを発行する。サービスクレジット率は、SLAで規定したパフォーマンス目標値を下回った時間などに基づいて決定される。

 さらにSLAは、SLAの保証対象外となる例外事由について詳述したセクションを含む。例外事由に該当する場合は、サービス品質がSLAの保証値を下回ってもペナルティーは適用されない。例外事由は、制御不能な要因についてサービスプロバイダーの責任を免除するためのものであり、不可抗力条項と呼ばれることもある。通常、自然災害やテロ行為などを含む。

SLAを締結するメリット

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