MACアドレスとIPアドレスの役割【前編】
いまさら聞けない、IPアドレスだけでなく「MACアドレス」が必要な理由
インターネットでの通信にはIPアドレスだけでなく、MACアドレスが必要だ。ユーザーが通常は意識することのないMACアドレスの役割とは何だろうか。
インターネットに接続するデバイスには、物理的にデバイスを特定するための識別番号である「MAC(メディアアクセス制御)アドレス」と、ネットワークで割り当てられる識別番号である「IPアドレス」の2種類がある。MACアドレスは同じLANに接続しているデバイスを識別し、IPアドレスはインターネットに接続したデバイスを識別する。インターネットでデータを送信先に到達させるには、この両方の識別番号が必要だ。
インターネット内の宛先にデータを送るために、WebブラウザでIPアドレスを指定すると、ネットワークソフトウェアがそのIPアドレスを挿入したパケット(データをまとめた単位)を送出する。ユーザーがこうした識別番号を直接使用することはほとんどない。通常、DNS(ドメインネームシステム)がIPアドレスを、人が理解しやすい「ドメイン」に変換する。
ルーターは、パケットを送信元のネットワークから宛先のネットワークへと送る。
MACアドレスの役割と割り当て方法
MACアドレスは、ネットワークに接続するデバイスのデータ伝送を制御する役割を持つ。ネットワークを階層化して定義したOSI参照モデルのレイヤー2(データリンク層)に該当し、MACアドレスはレイヤー2の住所になる。現在のインターネット環境では、ほとんどのデバイスがイーサネットケーブルで物理的に接続するか、無線LANのような無線通信によって接続している。どちらの場合もネットワーク接続するデバイスの識別にMACアドレスを使用する。
12桁の16進数で構成されるMACアドレスは、一般に2桁ごとにハイフンで6組に区切って表現する。「00-00-00-00-00-00」から「FF-FF-FF-FF-FF-FF」までの番号を使用できる。通常、前半6桁はベンダー固有のID、後半6桁は各デバイスのIDを示す。無線LAN接続かイーサネット接続かを問わず、現在のほぼ全ての企業向けデバイスは、製造時にMACアドレスを割り当てられており、変更することはできない。
MACアドレスはデバイスのネットワークカードごとに固有のものだ。ただしビット数が限られているため、使用できる上限に達したベンダーは同じ番号を再度使用することになる。それぞれのベンダーが使用できるMACアドレスは約1600万個あり、MACアドレスの後半が「FF-FF-FF」の製品を出荷したら、次はまた「00-00-00」から始まる。この番号割り当て方法は、同じMACアドレスを持つ2台のデバイスが同じLANで使用される確率は極めて低いという前提に立っている。
同じLANに同じMACアドレスのデバイスが2台あってはならない。そのようなことになれば、どちらのデバイスがパケットを受信すべきかを特定できず、正しくデータの送受信ができなくなる。受信先のデバイスを探すためにスイッチから全てのポートにパケットをブロードキャストすると、最初に応答したデバイスが一連のパケットを受信する。そのデバイスを再起動したり、シャットダウンしたりすれば、もう1台のデバイスがパケットを受信できるようになる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
MACアドレスとIPアドレスの役割
MACアドレスとIPアドレスは、どちらもネットワーク内のデバイスを識別するための番号だが、その役割は異なる。両者の違いと、両方が必要な理由を解説する。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[Datadog Japan合同会社] Wantedlyのオブザーバビリティはどう進化したか 10年の軌跡と実装の変遷 -
事例
[Datadog Japan合同会社] エラー検知から原因調査までを最短5分で、日経新聞に学ぶアプリ監視の改善方法 -
製品資料
[Datadog Japan合同会社] クラウドのコストと利用状況を可視化&最適化、「Datadog」の実力とは? -
事例
[Datadog Japan合同会社] クラウド移行で見えた監視の死角、SBI証券が選んだ統合オブザーバビリティ実践 -
製品資料
[NTTPCコミュニケーションズ株式会社] リソースに限りのある中堅企業で「多層防御」の運用負荷をどう乗り越える?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
ITエンジニア1265人調査 生成AIを使い込むほど「人の確認」が重い理由
-
2
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
3
全社標準Copilotに絶望? MS Copilotで問い合わせ6割減できた企業は何が違った
-
4
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
5
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
6
AIエージェントを暴走させない設定、済んでますか? 対策5選を専門家が紹介
-
7
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
8
ルーブル美術館も被害に “ありふれた手口”で巨額ハッキングが成功する理由
-
9
機械学習について、正しく説明している文章はどれ?
-
10
コスモ石油、法令申請業務をどうシステム化した? ベテラン頼みの法令判断を解消
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
2
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
3
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
4
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
5
少額減価償却資産が40万円未満へ拡大、令和8年度税制改正で押さえるべき変更点
-
6
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
7
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
8
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
9
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
10
AI時代に成功するための「ナレッジマネジメント」ベストプラクティス
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー