「Microsoft 365」と「Office 365」を比較【前編】
「『Office 365』が終わった」は誤解? 「Microsoft 365」とは何者なのか
「『Office 365』が終わりを迎えた」という理解は、厳密には正しくない。Microsoftは依然として「Office 365」という名称のプランを提供しているからだ。では、そもそも「Microsoft 365」とは何なのか。
「Office 365」から「Microsoft 365」に完全に切り替わったと考えるIT管理者もいるだろう。だが、その認識は正しいとは言えない。Microsoftが提供するサブスクリプション形式のオフィススイートのプランとして「Office 365」は依然として存在し、「Microsoft 365」という名称のプランとは料金や含まれる製品/サービスなどが異なる。IT管理者は、どのような場合にどのプランを選択すればよいかを理解することで、コストを大幅に抑制できる可能性がある。
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連載:クラウド時代のネットワーク最適化
Microsoft 365もOffice 365も、特にメールサーバの「Exchange Server」やポータル作成・ファイル共有の「SharePoint Server」といったコミュニケーションシステムのクラウドサービスへの移行を容易にして、オンプレミスサーバ関連のコストやメンテナンスを不要にする――。一般的なIT管理者の認識はこうだろう。ただし厳密には、両者をより正確に比較するには、より広範な要素を検討する必要がある。
前後編にわたり、Microsoft 365がそれぞれ何を提供するのか、Microsoft 365とOffice 365を比較する際のポイントとは何かを確認していこう。
「Microsoft 365」とはそもそも何か
2017年7月に「Microsoft 365」という名称のプランが初めて登場した。Microsoft 365はオフィススイート「Microsoft Office」の製品/サービスに加え、セキュリティ管理や「Windows 10」を含むさまざまな製品/サービスを組み合わせたプランだ。
Microsoftは、使いやすく生産性向上に役立つ製品/サービス群の包括的な組み合わせとしてMicrosoft 365を設計した。その中にはOffice 365に含まれる「Microsoft Office」アプリケーションに加えて、セキュリティサービスやWindows 10の企業向けエディション「Windows 10 Enterprise」のライセンスが含まれている。多忙なITスタッフは、個々の製品/サービスを吟味して選択せずに済む。
特にクラウドサービスで運用するシステムのセキュリティ強化を優先課題だと位置付けるIT管理者にとって、Microsoft 365にはさまざまなセキュリティ機能を利用できるメリットがある。これらのセキュリティ機能には、Microsoft Officeアプリケーションだけではなく、サードパーティーのオンラインサービスを含むシングルサインオン(SSO)も含む。この機能は「Azure Active Directory」(Azure AD)というID管理・ディレクトリサーバが実現する。
「Microsoft 365は要素を盛り込み過ぎている」という見方がある。Office 365に含まれる製品/サービスでさえ、非常に数が多いせいで持て余し、一部のみの利用にとどまっている企業が少なくないからだ。ただしセキュリティがIT管理者の課題の中でトップに近い優先順位を占めることを考えると、Microsoft 365が、セキュリティ対策の向上を目指す企業の注目を集める可能性がある。
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