「Windows Defenderウイルス対策」の可能性と限界【中編】
「Windows Defenderウイルス対策」があれば有料セキュリティ製品は不要なのか?
Microsoft製マルウェア対策機能「Windows Defenderウイルス対策」は、「Windows 10」を導入していれば無料で利用できる。ただし利用を検討する企業は、メリットだけではなく限界にも注目しなければならない。
「Windows Defender Antivirus」(Windows Defenderウイルス対策)は、「Windows 10」が標準で搭載するマルウェア対策機能だ。無料で利用できるため、セキュリティ予算を抑えたいIT部門にとっては魅力的な選択肢になり得る。だが全ての企業にとってWindows Defenderウイルス対策が最良の選択肢になるわけではない。IT部門はWindows Defenderウイルス対策が自社の要件を十分に満たすのか、それともサードパーティー製のマルウェア対策製品が必要かを見極めなければならない。
本当にWindows Defenderウイルス対策で十分なのか
マルウェア対策製品について、一般消費者の関心は一般的な脅威からの保護機能が利用できるかどうかという点にある。だが企業にはより強力なセキュリティ機能が必要だ。セキュリティベンダーによるサポートは一般消費者には必須ではないが、企業にとっては必須だ。
企業が利用するマルウェア対策製品においては、以下の要件を重視する必要がある。
- 機能面
- 外部からの攻撃に対するセキュリティ機能
- 企業を狙う脅威に対するセキュリティ機能
- 侵入したデバイスのデータを抜き取って攻撃者に送信するスパイウェアなどのマルウェア、アドウェア(広告表示を目的とした無料ソフトウェア)の削除機能
- ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)対策機能
- デバイス盗難防止機能
- データ削除機能
- パスワード管理機能
- リアルタイム脅威対策機能
- 運用管理面
- IT部門にとって管理機能が使いやすいこと
- 電話、メール、チャットなどによるサポートが利用できること
- 管理対象のデバイスを一元的に監視、管理できること
- 「Windows」以外のOS(「Linux」「Android」「iOS」「macOS」など)で利用できること
- マルウェアスキャン中にデバイスのパフォーマンスが著しく低下しないこと
Windows Defenderウイルス対策には、幾つかの注意点がある。まずはWindowsデバイス以外の管理対象デバイスを一元的に監視、管理するのが難しいことだ。デバイス管理・セキュリティ対策製品/サービス群「Microsoft Endpoint Manager」を併用したり、コマンドラインインタフェース「PowerShell」で監視作業を補助するスクリプトを作成したりする必要がある。
もう一つがサポートに関する注意点だ。Windows Defenderウイルス対策はWindows 10の標準機能のため、個別製品としてのサポート窓口はない。Microsoftに対するWindows Defenderウイルス対策に関する問い合わせは、Windowsの総合的なサポート窓口が受けることになる。そのため適切なサポート担当者にたどりついて問題を解決するまでに時間がかかる可能性がある。
サポートの問題は、企業にとって致命的になりかねない。もしランサムウェアによってデータを人質に取られ、直ちに処置を必要とする場合は特にそうだ。
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