セキュリティで比較する「5G」と「無線LAN」【前編】
「5G」と「無線LAN」のどちらが安全か? そもそも判断できない?
無線ネットワークとして「5G」と「無線LAN」のどちらを選ぶかを検討する際、重要な要素となるのがセキュリティだ。どちらのセキュリティがより高いのかを判断することは、決して簡単ではない。それはなぜなのか。
企業が「5G」(第5世代移動通信システム)を導入する場合、その選択肢は大きく3つある。通信事業者の5Gインフラを不特定多数のユーザーと共有する「パブリック5G」、通信事業者の5Gインフラを特定企業が部分的に専有する「プライベート5G」、企業が限定的な地域に5Gインフラを個別に構築する「ローカル5G」の3つだ。特にプライベート5Gやローカル5Gの採用を検討する企業の間では、5Gと無線LANのセキュリティ機能の違いが関心事となっている。
「5G」と「無線LAN」のセキュリティは、どちらが高いのか
5Gと無線LANの比較は目新しい話題ではない。企業のIT管理者は、この2つの無線ネットワークのデータ伝送速度や電波透過性、デバイス密度、その他の指標を比べて、どちらの無線ネットワークが自社の用途に適しているか検討する必要がある。
「無線LANのセキュリティは段階的に進化してきたのに対し、5Gのセキュリティは最初から組み込まれている点が大きな違いだ」。プライベートモバイルネットワークインテグレーターCelonaの共同創業者で最高技術責任者(CTO)のメメット・ヤブズ氏は、5Gと無線LANのセキュリティの違いをこう評価する。
ヤブズ氏は「無線LANは最初から安全だったわけではない」と説明する。企業の間で導入が進み始めた当初、無線LANの認証や暗号化は「すぐ破られてしまった」と同氏は指摘。ベンダーやその製品を導入した企業は、セキュリティ機能をアップグレードしないと「ネットワークやデータが侵害を受ける危険があった」と語る。
無線LANのセキュリティを高めることは可能だ。だからといって企業が今運用している無線LANの全てが、セキュリティの高い状態になっているとは限らない。無線LANのどの認証方式や暗号化方式を有効にするかは、各企業のネットワーク管理者に委ねられている。そのため「特定の企業の無線LANが、想定したほど安全になっていない心配は常にある」とヤブズ氏は指摘する。
5Gは標準化が完了した時点で、高度なセキュリティを最初から組み込んでいた。無線LANの場合は、管理者が誤って低い認証方式や暗号化方式を採用する可能性がある――。これがヤブズ氏の見方だ。
ヤブズ氏の指摘は的を射ている。ただし無線LANの導入と保護を担当するネットワーク管理者やセキュリティ管理者は総じて、以前の無線LANセキュリティの欠点を理解している。攻撃者は、認証方式と暗号化方式の安全性の低ければ、これらを容易に回避できる。そのためネットワーク管理者やセキュリティ管理者は一般的には、5Gと同じくらい安全な無線LANを構築しようと考える。
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