ダークWeb潜入レポート【後編】
“不正アクセスのプロ”が被害企業の名前を明かさない「ダークな理由」
攻撃者は企業のネットワークやデータへのアクセス権を不正に入手して、ダークWebの闇市場で売りさばいている。闇市場での取引における、売り手と買い手の思考を探る。
脅威インテリジェンスベンダーIntSights Cyber Intelligenceは、ダークWeb(特定の手段でのみアクセスできるWebサイト群)の闇市場で潜入調査を実施し、報告書にまとめた。IntSightsが調査対象としたのは、攻撃者によるネットワークアクセス権の不正販売46案件だ。
IntSightsの研究者は、闇市場の売り手の「口の堅さ」を指摘する。企業のネットワークに不正アクセスした攻撃者は、その企業に関する秘密を守り、売買が成立するまでその企業名を決して明かさない。それはなぜか。
「口が堅い」闇市場の売り手
攻撃者が最も恐れるのは、攻撃を受けた企業が不正アクセスに気付いて対策を講じ、不正アクセスを封じることだ。攻撃者は、セキュリティ研究者や司法機関が自分たちのコミュニティーを監視していることを十分認識している。そうした事情から、闇市場の売り手は、不正アクセスの露呈を避けるため、ダークWebのフォーラムサイトにおける投稿では被害企業名を出さない。
IntSightsのチーフ脅威アナリストであるポール・プルドーム氏は、被害企業名を明かす際は買い手側が証明の責任を負うことになると指摘。「買い手に被害企業名を教えたからといって、どんな価格でも売買が成立することにはならない」と解説する。そのため「買い手は自分の行動を通じて、自身が『信頼に足りる優良客』であることを立証しなければならない」とプルドーム氏は言う。
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