問題解決もお任せの「自己修復システム」【前編】
人の介入を不要にする「自己修復システム」とは? 何がすごいのか
企業は自動的に問題を検出して解決するシステムを構築すれば、運用の効率化を図れる。こうした「自己修復システム」は具体的にどのようなものなのか。
昨今、企業は機械学習などのAI(人工知能)技術によるデータ分析に取り組んでいる。そうした中、注目すべきは「自己修復システム」の構築だ。“自己修復”とは人間が介入することなく、システムが自ら異常を検出して問題を解決することを指す。本連載は自己修復システムを構成する主な要素を考え、自己修復システムの導入を成功に導くための手順を紹介する。
運用を自動化してトラブルを予測 自己修復システムのすごさとは?
システムが複雑化し、運用コストが上昇する中、企業は必要なITの人員と予算をどう確保するか、頭を悩ませている。その打開策として、人間の作業を極力なくし、自律的に動くシステムの重要性が浮かび上がってきた。こうした自己修復システムは運用を自動化し、機器故障の予測とトラブル対応を担い、IT人員を運用管理の作業から解放する。
企業はデータセンターに仮想化技術を取り入れ、リソースを動的に配備することでアプリケーションの要求に応じている。自己修復システムはCPU、メモリ、ストレージ、ネットワーク帯域幅(回線容量)などのリソースを効率的に再配置する。他にも仮想マシン(VM)のプロビジョニング(リソースを配備しておくこと)やリアルタイムのワークロード(リソースを消費するシステムの負荷)分散といった運用作業も自動化する。
自己修復システムのもう一つの重要な側面は、アルゴリズムによってネットワークのデータを分析し、システムを継続的に監視することだ。企業は、業務情報をまとめて処理し、転送する際、エラーの発生によく直面する。自己修復システムを使えば、このようなエラーを検知して自動的に修復できる。自己修復システムはハードウェアとソフトウェアの稼働状態を評価し、エラーの予兆を検知したときはその発生を防ぐためのリソースを追加する。
企業のデータセンターにある空調システムなどの設備は、センサーが取得したデータをAI技術によってリアルタイム分析することで自動調整することができる。自己修復システムはこれと同じ考えに基づき、ITインフラを監視して高可用性を追求する。高可用性は、システムが複雑化すればするほど重要になる。
自己修復システムは、AI技術をシステム運用に取り入れる「AIOps」(Artificial Intelligence for IT Operations)の手法により、システムの変化に自動的に対処したり、システムの問題を自動的に解決したりできるようにしている。例えば1つのCPUでエラーが発生した場合、コンピューティングの負荷を自動的に別のCPUに移す。
後編は、自己修復システム導入を成功に導くための「3つのステップ」を紹介する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー