物流を変える仮想配送センター【後編】
「仮想配送センター」でリードタイムを短縮する物流の仕掛け
オンラインスーパーマーケットを手掛けるOcadoは、配送プロセスの効率化を目指し、先進的な取り組みを進める。その一つが「仮想配送センター」だ。何が変わるのか。
英国でオンラインスーパーマーケットを手掛けるOcado Groupは、自社の「フルフィルメントセンター」(FC:受注から決済、配送までを担う物流拠点)で稼働するロボットを3D(3次元)プリンタで製造し、軽量化と運営効率化を図る。同社が進める先進的な取り組みはこれだけではない。
Ocadoは2022年1月に開催したオンラインイベント「Re:Imagined」で、機械学習技術を組み込んだ配送用ソフトウェア「Ocado Orbit」を公表した。これは世界でも先例がほとんどない、仮想配送センターを実現するものだ。
「仮想配送センター」で何が変わるのか?
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連載:物流を変える仮想配送センター
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OcadoのCEO兼設立者ティム・ステイナー氏はイベントで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大が、食料品のオンライン注文と配送にどのような変化を与えたかについて論じた。ステイナー氏は同業界が抱える課題として、顧客の希望する時間に配送するためのリードタイム短縮を挙げた。
従来、食料品メーカーは地域の配送センターへ商品を配送し、Ocadoはそこから同社のFCへ商品を運んでいた。Ocado Orbitを利用する場合、食料品メーカーは単一のFCへ直接食料品を配送する。その後、Ocadoは商品を顧客の自宅近くのFCや「マイクロフルフィルメントセンター」(MFC:スーパーマーケットといった店舗内に設置する小型の自動化フルフィルメントセンター)へ再分配する。これにより、リードタイム短縮が実現するという。
物流にかかるコストを考慮すると、各FCやMFCの保有する在庫規模は一定に抑える必要がある。Ocadoはこの課題に対処するため、Ocado Orbitを用いて仮想の物流ネットワークを作り出し、複数のFCやMFCが在庫を共有するシステムを構築する。
Ocado Orbitを導入するFCやMFCは、特定の在庫の保管拠点として機能する。全ての物流拠点が仮想配送センターに接続し、顧客の場所に関係なく各物流拠点から特定の在庫を提供する。顧客が食料品を注文すると、物流拠点間を循環するトラックが商品の積み下ろしを実施し、商品は顧客の自宅に最も近い物流拠点に移動して、そこから顧客の自宅に配送される。
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