オンラインスーパーマーケットを手掛けるOcadoは、配送センターで稼働するロボットなど設備の運用効率化を目指し、先進的な設計を取り入れる。どのような技術を用いているのか。
英国でオンラインスーパーマーケットを手掛けるOcado Groupは、自社の「フルフィルメントセンター」(FC:受注から決済、配送までを担う物流拠点)で商品のピッキングと梱包(こんぽう)作業を担うロボットを稼働させている。同社は2022年1月に開催したオンラインイベント「Ocado Re:Imagined」で、ロボットの新機種「600 Series」を発表。同ロボットの製造には3D(3次元)プリンタを活用しており、これにより同社は製造プロセスの効率化とコスト削減を見込む。
「600 SeriesはOcadoの事業に変革をもたらすだろう」と語るのは、OcadoのCEO兼設立者ティム・ステイナー氏だ。OcadoはHPと提携し、600 Seriesに使う部品の半分以上を3Dプリンタで製造する。600 Seriesの設計に当たって、同社は航空機部品の強靱化(きょうじんか)や軽量化に用いる技術「トポロジー最適化」を活用。軽量化により、600 Seriesの製造コストは前身の機種「500 Series」と比べて減少した。
エネルギー効率においても600 Seriesは500 Seriesと比べて改善し、設置面積当たりに必要な電力が低減した。そのため冷却設備に必要な電力使用量や建設コストを削減できる。
ロボットは、OcadoのFC内に設置された「グリッド」と呼ばれるレール上を走行する。ステイナー氏は「600 Seriesの登場で、グリッドについても再考が始まった」と語る。600 Seriesの重量は500 Seriesの5分の1と軽量化しており、そのためグリッドについても軽量化が可能となった。グリッドを軽量化すれば、以下を実現できるという。
グリッドの軽量化によりOcadoは、自動化を取り入れた小型の物流拠点「マイクロフルフィルメントセンター」(MFC)を構築できるようになる。
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