テレワーカーを孤立させないための8つの方法【第2回】
テレワークで生まれた“ぼっち社員”を救う「EAP」とは?
テレワークで従業員に生じた孤独感や孤立状態を、どう解消するか。そのための手段の一つが「EAP」の活用だ。どのように活用すればよいのか。
従業員が孤独感と孤立状態に対処できるようにし、こうした感情を抱かせる状況を防ぐために、人事責任者をはじめとする経営幹部は何をすべきなのか。実施できる主な取り組みは8つある。まずは1つ目を紹介しよう。
1.「EAP」を活用する
併せて読みたいお薦め記事
連載:
テレワーク関連の注目トピック
企業の中には、福利厚生としてウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に良好な状態)に関するプログラムを提供しているところがある。一般的なウェルビーイングプログラムにはメンタルヘルスに関する内容が含まれる。だが企業がこのようなプログラムを用意していても、それを利用できることを従業員が知らない場合がある。経営幹部は、プログラムの存在を繰り返し従業員に伝えるべきだ。
ウェルビーイングプログラムをはじめとする「従業員支援プログラム」(EAP:Employee Assistance Program)を従業員に活用してもらうためには、経営幹部は何をすればよいのか。「EAPの存在を伝えるだけではなく、受講したことで得られるメリットを伝えることが極めて重要だ」と、米国精神医学会財団(APA Foundation)のワークプレース・メンタルヘルス・センターでディレクターを務めるダーシー・グラッタダロ氏は話す。経営幹部は、利用できるEAPとそのメリットについて、従業員に定期的に情報を提供しよう。
経営幹部は、EAPベンダーのリソースを積極的に活用するとよい。例えばEAPやデジタルヘルスケアサービスのベンダーを招き、従業員の孤独と孤立に関する講義をしてもらうことをグラッタダロ氏は提案する。「テレワークの悩みを抱えている従業員の見つけ方」といったテーマで、マネジャー向けのトレーニングを実施してもらうのもよい。
「従業員の働き方を見ていれば、悩みの兆候が分かることがある。それは見た目や振る舞い、雰囲気、やりとりの内容の変化から伝わるケースが多い」とグラッタダロ氏は指摘する。こうした兆候がテレワークのやりとりの中でどのように現れるのかを把握すること、そして従業員の困りごとを改善するためのトレーニングがあると認識していることが、経営幹部にとって「本当に大切だ」と同氏は強調する。
経営幹部は、EAPベンダーが従業員のニーズに適切に対処しているのかどうかを確認する必要がある。グラッタダロ氏は、EAPの利用データを四半期ごとに提出するようベンダーに要求すべきだと主張する。その際、相談窓口となるフリーダイヤルの利用回数やWebサイトの訪問回数だけではなく、次のような数字にも着目することを同氏は推奨する。
- EAPベンダーのネットワークに所属するカウンセラーの人数
- カウンセラーに連絡を取った従業員の数
- カウンセラーに電話やメールの連絡がつながるまでに要した時間
経営幹部にできることはまだある。「EAPベンダーと従業員の間の相談内容は完全に秘密で、外に漏れることはない」と従業員に伝えることだ。グラッタダロ氏は、こうした秘匿性を「従業員に強調する必要がある」と話す。情報が企業内で共有されることを恐れて相談をためらう従業員もいるからだ。
第3回は、従業員の孤独感や孤立状態を解消する8つの対処法のうち、2つ目と3つ目を紹介する。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[ゾーホージャパン株式会社] サイバー攻撃からネットワークを守る上で確実に押さえておきたいポイントとは? -
事例
[アルプス システム インテグレーション株式会社] 中小企業でも安心して活用できる「手ごろなSOCサービス」とは? -
製品資料
[株式会社シーイーシー] 脱VMwareに成功した企業は何をどう実践した? 事例に学ぶ戦略立案&実装のコツ -
製品資料
[株式会社オービックビジネスコンサルタント] ランサムウェア攻撃を“二重の防御構造”で防ぐ、クラウド型基幹システムの実力 -
製品資料
[株式会社オービックビジネスコンサルタント] 動画で知るランサムウェア被害企業のリアル、会計データが無事だった理由とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
鹿島建設のDXを阻む「10年前のAWS」 安全性と自由度を両立したモダナイズ
-
4
AIの導入効果はどう測る? DMM.comのエンジニア組織に学ぶ効果検証のノウハウ
-
5
「企業におけるAI導入検討度とIT投資優先度」に関するアンケート
-
6
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
7
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
8
慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”
-
9
新旧「Outlook」混在の恐怖を三星ダイヤモンド工業はどう乗り越えたか
-
10
「Excel管理」では限界――製造現場の改善が進まない“隠れた原因”
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
9
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー