服飾メーカーFAM Brandsは生産性モニタリングツールを一部の部署に試験導入。テレワークで生産性を維持できていることを確認したという。その結果、同社の人事戦略にどのような変化があったのか。
服飾デザイン製造企業FAM(FAM Brandsの名称で事業展開)は従業員の生産性を計測する「生産性モニタリングツール」を導入し、テレワークの状況を分析している。同社の人事人材責任者ケイシー・コンクライト氏は、生産性モニタリングツールのデータから、テレワークをする方が従業員の生産性が高まることを理解した。同社はこのデータを見てテレワーク施策を拡大させた。
FAM Brandsは同社の歴史において初めて「米国内のさまざまな地域の人材を積極的に採用し、テレワークで雇用している」とコンクライトは説明する。「もしテレワーカーの生産性に関するデータがなかったら、従業員に出社を再開するよう促していた」と同氏は語る。
コンクライト氏によると、FAM Brandsは業界の需要を理由に週40時間未満の勤務制度は検討していない。「生産性モニタリングツールの導入は、従業員が“大人”であることを裏付けており、彼らはすべき仕事をしていると信頼できる」と同氏は語る。そのため同社は、従業員が家庭のニーズに応じて勤務時間を調整できるようにした。ツール導入後、従業員の定着率は向上したという。
FAM Brandsではサプライチェーンにおいて、注文管理業務がボトルネックになっていたという。その原因を知るために、コンクライト氏は生産性モニタリングツールを生かせるのではないかと考えていた。
コンクライト氏は「従業員が仕事をしていないのではないか」という疑いは持っていなかった。生産性モニタリングツールを導入したことで分かったのは、注文管理の担当者が1日12時間以上働いていており、長時間「Microsoft Excel」を使用している従業員がいることだった。自動化できる処理を手動で作業している場面もあった。
大きな成果だったのは「注文管理チームの人員を増やす必要がある」と分かったことだ。注文管理チームで得た経験は、このツールをさらに広範囲に導入する後押しとなった。別の視点では、FAM Brandsは会議に費やす時間が長く、会議の効率化が必要であることも分かった。要するに「従業員のためにできることがある」ということが示されたわけだ。FAM Brandsが導入した生産性モニタリングツールは、テレワーク強化と勤務形態の改善に役立った。
第3回は企業の間で進み始めた、週間勤務時間見直しの動きを紹介する。
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