テレワークやハイブリッドワークはパンデミックを経て一般的な働き方となったが、それを前提とした求人が減少傾向にあるという。テレワークやハイブリッドワークの求人が減少している要因とは。
テレワークやハイブリッドワーク(テレワークとオフィスワークの組み合わせ)に対する企業の姿勢に変化が見られる。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるパンデミック(世界的大流行)を機に、テレワークは求人の条件としては当然と言えるほどになったが、そうした求人は減少している。テレワークの求人がなくなっている要因は何なのか。
IT認定資格の業界団体CompTIAの調査によると、2022年に米国で技術系の職種で募集された求人のうち、34%がテレワークまたはハイブリッドワークを前提とするものだった。それに対してCompTIAが2024年3月に発表したデータでは、2024年2月に募集があった技術職の求人のうち、テレワークまたはハイブリッドワークを前提とするものは約20%だった。
ただし、一定割合の労働者が依然としてテレワークを継続していることを示すデータもある。ユタ州立大学(Utah State University)経営学准教授のティム・ガードナー氏は、大都市の労働者がテレワークを実施していることを示す根拠として、オフィスビルのデータを引き合いに出す。不動産向けのセキュリティベンダーKastle Systems Internationalは、自社が米国47州で管理する2600件の物件と4万1000件の店舗や事務所が使用する電子キーの稼働状況をデータ化している。2023年12月時点のデータによると、パンデミック前と比べた10都市全体のオフィス稼働率は約49%だった。
CompTIAで最高研究責任者(Chief Research Officer)を務めるティム・ハーバート氏は、「求人広告ではテレワークに言及していなくても、採用候補者にはテレワークを認めていると内示する企業もある」と語る。採用候補者を引き付けるためのインセンティブとしてテレワークを提案したり、従業員の働きぶりや成果次第でテレワークやハイブリッドワークを選択できる仕組みを確立したりする企業もあるという。
ガードナー氏は、「テレワークやハイブリッドワークに言及する求人広告が減少している理由は複数ある」と語る。同氏によると、従業員がテレワークを実施したことのある企業の一部は、テレワークを良く思っていない。その理由としては、以下が挙げられる。
企業の一部はこのような経験から、テレワークを取りやめたり、テレワークを許可する従業員を厳選したりするようになっている。求人広告でテレワークに触れないようになったことにも、そうした経験が影響しているのだという。
ガードナー氏は「テレワークは良い働き方ではない」と主張しつつも、「テレワークによる恩恵を受ける企業もある」と話す。例えば人口が少ない地域の中堅・中小企業がテレワークを実施すれば、居住地を限定せずに従業員を採用できる可能性がある。
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