波紋を広げる、Uberへの攻撃【後編】
Uberへの不正侵入犯が愛用していたロシア発の“あのツール”とは?
Uber Technologiesが「AWS」「GCP」といったクラウドサービスで運用するシステムに、攻撃者が入り込んだことが明らかになった。なぜ、そのようなことができたのか。攻撃者の行動を追う。
2022年9月中旬、攻撃者によって社内ネットワークが侵害されたUber Technologies(以下、Uber)。同社は2022年9月19日(米国時間、以下同じ)、南米を拠点に活動するサイバー犯罪グループ「Lapsus$」(ラプサス)に所属するとみられる人物による攻撃だったことを、正式に認めた。攻撃者の発言や共有したスクリーンショットを基に、今回の攻撃の詳細を見よう。
明らかになった攻撃者の行動 ロシア発の“あのツール”を駆使か
併せて読みたいお薦め記事
連載:波紋を広げる、Uberへの攻撃
著名企業への攻撃が活発だ
2022年9月16日、非代替性トークン(NFT:代替不可能であることが保証されたトークン)を制作するYuga Labsのセキュリティエンジニア、サム・カリー氏は、短文投稿サイト「Twitter」で、ある報告をした。攻撃者が、クラウドサービス「Amazon Web Services」(AWS)と「Google Cloud Platform」(GCP)における、Uberアカウントの管理者権限を有していることを示すスクリーンショットを共有した、という内容だ。
同日、セキュリティベンダーZellicでビジネス開発責任者を務めるコーベン・レオ氏は、ロシア発のチャットツール「Telegram」で攻撃者と関係者がチャットをしているスクリーンショットを、Twitterに公開した。レオ氏によれば、チャットはバグ報奨金制度(バグの報告に報奨金を支払う制度)のための仕組みを運営するHackerOneから入手した。HackerOneのポータルサイトでは、Uberへの攻撃が宣言されていた。
Telegramのチャットでは、攻撃者はUberの従業員の認証情報を使ってUberのVPN(仮想プライベートネットワーク)にログインし、イントラネットに侵入したと語っている。攻撃者はDelineaの特権アクセス管理(PAM)ツールの認証情報を含む、コマンド実行ツール「PowerShell」のスクリプトを手に入れ、Uberの管理者権限でAWSにアクセスしたとみられる。
Uberは以前にも攻撃を受けたことがある。2016年、攻撃者がソースコード共有サービス「GitHub」の認証情報を盗み、Uberの社内ネットワークに侵入したのがそれだ。Uberの幹部は攻撃をバグ報奨金プログラムの一環だと説明し、攻撃を受けたことを隠そうとした。当時UberのCEO(最高経営責任者)だったトラビス・カラニック氏は退任した。CSO(最高戦略責任者)だったジョー・サリバン氏は、2020年に司法妨害と犯罪行為の隠蔽(いんぺい)の罪で起訴された。サリバン氏の裁判は2022年9月に始まった。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
7
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
8
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
9
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
10
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー