風雲児「QLC」がもたらすストレージ革命【後編】
「QLC」のSSDはなぜストレージに“究極の選択”をもたらすのか
「HDDにすべきか、SSDにすべきか」さらには「オンプレミスがいいのか、クラウドがいいのか」と、企業はストレージの投資や運用に頭を悩ませがちだ。「QLC」が台頭する現状を基に、議論すべき点を考えてみよう。
保管するデータ量が増える中で「オンプレミスのストレージに投資すべきか、クラウドストレージに投資すべきか」という問題に頭を悩ませる企業は少なくない。これはクラウドサービスが台頭して以来の問題だ。ただし現状は変わりつつあり、検討の軸を変えることが課題解決につながる可能性が生じている。「QLC」(クアッドレベルセル)というストレージ技術の活用が広がりつつある点を軸に考えてみよう。
「QLC」はなぜストレージの“革命児”なのか
併せて読みたいお薦め記事
連載:風雲児「QLC」がもたらすストレージ革命
ストレージ市場に迫る変化の兆候
「必要な時にすぐにリソースを確保できる」という特徴と共に台頭したクラウドサービスは、IT業界においてはまさに革命だった。その機敏性(アジリティ)のメリットがある限り、今後も企業はクラウドサービスを採用し、クラウドサービスの分野は成長すると考えられる。
保管するデータ量が増える中では、企業はアジリティだけではなくコストも考慮する必要がある。ストレージ分野では、1つのメモリセルに4bitを格納するQLCという記録方式を採用したSSDが使われ出した。QLCは容量単価をHDDに近づけることを目指したストレージ技術であるため、企業はオンプレミスのストレージへの投資対効果を高めやすくなる。
ストレージベンダーのNetAppが2023年2月に発表したストレージ製品群「NetApp AFF C」は、QLCのSSDを採用した。このストレージ製品は、NetAppのストレージOS「ONTAP」をベースにした、「Amazon FSx for NetApp ONTAP」(提供元:Amazon Web Services)などのクラウドサービスと連携させて使うことができる。運用管理ツール「NetApp BlueXP」を介することで、オンプレミスのストレージとクラウドストレージの運用を一元化することも可能だ。
こうした機能を使うことで、オンプレミスのデータセンターとクラウドサービスを連携させる「ハイブリッドクラウド」を採用しやすくなる。QLCを利用すれば、オンプレミスのデータセンターではQLCによってストレージへの投資対効果を高めつつ、クラウドサービスのアジリティを取り入れることが可能になる。
「オンプレミスのストレージか、クラウドストレージか」という問題に企業は頭を悩ませがちだった。ハイブリッドクラウドが現実的になってきたことを踏まえると、検討すべき論点は変わる。考えるべきは、HDDとSSDを適切な場所で使い続けるためには、どのような構成を採用すればいいのか、ということだ。これは「好きな技術を好きな場所で使う」という、頭の柔らかい発想ができる企業だけが追求できる。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
4
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
5
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
6
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
-
7
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
8
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
9
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
10
レガシー基幹システムをSAPに統合 山善が突き止めた「標準化と個別最適」の境界線
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー