風雲児「QLC」がもたらすストレージ革命【中編】
HDD並みに安くなる「QLC」SSDでも“コスト優先”で考えてはいけない理由とは?
ストレージに投資する際、企業はオンプレミスのストレージでも、クラウドストレージでも自社の要件によって選択しやすい状況になりつつある。「QLC」といった新技術が台頭する中、求められる判断材料とは。
「QLC」(クアッドレベルセル)によって「SSD」の容量単価は抑制しやすくなる。QLCは、1つのメモリセルに4bitを格納する記録方式だ。こうした新たなストレージ技術は、オンプレミスのストレージとクラウドストレージのどちらに投資した方がいいのか、という判断に影響を与える。それを検討する際、判断材料になるのはコストだけではない。
「QLCの利点はコスト」という甘い考えに潜む落とし穴
併せて読みたいお薦め記事
連載:風雲児「QLC」がもたらすストレージ革命
ストレージ市場に迫る変化の兆候
クラウドストレージは、必要に応じてすぐにリソースを確保できる点で非常にメリットが大きい。ただしクラウドストレージでSSDを利用する場合は注意が必要だ。扱うデータ量が大きくなるほど、クラウドストレージの利用料金はあっという間に想定以上になってしまう。
SSDを使う場合、オンプレミスのストレージとクラウドストレージのどちらで使うのが適切なのか。この問いには慎重に答える必要がある。
QLCは、SSDの容量単価をHDD並みまで下げることを目指した比較的新しいストレージ技術だ。そうした新技術をサービスとして迅速に提供する点において、クラウドベンダーは苦戦する傾向にある。そのため企業はオンプレミスのストレージでSSDを使う方が、投資効果を得やすいことがある。
SSDの容量単価はQLCになることで抑制しやすくなるため、その点はオンプレミスのストレージに投資する企業にとって大きなメリットになる。だが企業は、何が最も重要なのかを考えなければならない。もし機敏性(アジリティ)が重要なのであれば、クラウドストレージを使う選択肢を捨ててはいけない。
アジリティを追求する場合の答えが、クラウドストレージとも限らない。インフラの構成を、オンプレミスのデータセンターとクラウドサービスを連携させる「ハイブリッドクラウド」にしている場合は、オンプレミスのデータセンターにもクラウドサービスのアジリティをもたらしやすいからだ。例えばオンプレミスのストレージにQLCを採用して投資効果を高めつつ、クラウドストレージも併用してアジリティを高める、といった選択ができれば、双方の利点を取り入れることができる。
結局のところ、インフラの価値を最大限に高める点において、アジリティを忘れてはいけない。それを踏まえて、オンプレミスのストレージがいいのか、クラウドストレージがいいのかを検討することが重要だ。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[株式会社マクニカ] アイカ工業に学ぶ脆弱性対策 情シスが把握できずにいたアセットも正確に把握 -
製品資料
[株式会社マクニカ] 「脆弱性総まとめ」解説 被害事例から考える必須の対策ポイント -
製品資料
[Splunk Services Japan合同会社] サイバー脅威「トップ50」完全解説ガイド、新たな攻撃手法に対抗するには -
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」完全ガイドブック:メリットから資格取得のポイントまで -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] はじめての「自治体/官公庁入札」 必要な知識がすぐに学べる入門ガイド
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
2
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
3
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
4
AI基盤は本当に「オンプレ回帰」する? Broadcomの言い分と企業の本音
-
5
オフコンからの脱却 小川建設が自社開発システムを捨てパッケージERPを選んだ訳
-
6
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
7
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
8
Netflixのバックエンドは「ほぼJava」 3000超のアプリを支える開発基盤の裏側
-
9
「技術屋」で終わらないために 情シスが今取るべき認定資格5選
-
10
「有線LAN環境」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
8
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
9
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー