「GPT-4」よりも強力なAIモデルの開発を中止すべし――。非営利団体が米政府に宛てた、AI技術規制に関する公開書簡には、イーロン・マスク氏などIT界の著名人も賛同した。同団体が求める規制の内容とは。
人工知能(AI)技術のリスク軽減を目指す非営利団体Future of Life Instituteは、AI技術に関する公開書簡を2023年3月に発表した。AIモデル開発の一時停止と、政府によるAI技術の規制強化が目的だ。書簡の具体的な内容とは。
公開書簡は、AIベンダーOpenAIの自然言語処理AIモデル「GPT-4」よりも強力なAIモデルの開発を、6カ月間中断することを呼び掛けている。SpaceX、Twitter、TeslaのCEOを兼務するイーロン・マスク氏と、Appleの共同創業者スティーブ・ウォズニアック氏が、この書簡に署名した。本稿執筆時点までに署名した2000人の中には、学術研究者や政策専門家が目立ち、スタートアップ(創業間もない企業)のCEOはあまりいない。
他にも公開書簡は、AI技術に関する規制の「劇的な加速」も政府に求めている。規制の例として、書簡は以下を挙げる。
規制の他に、AI技術の安全性確保には以下が必要だと公開書簡は主張する。
「この公開書簡の目的は、世界中の政府や規制当局に対して、AI技術の急速な進歩に関する警鐘を鳴らすことだ」。シンクタンクBrookings Institutionで、AIおよび新興技術研究部門のディレクターを務めるクリス・メセロール氏はそう述べる。一方で「複数の政府機関や規制当局の関係者は、既にAI技術に対する懸念を注視し、行動を始めている」とメセロール氏は語る。
次回は、Future of Life Instituteの公開書簡に対する複数の意見を紹介する。
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