SSDの「データ削減」がかつてなく面白い それって何なの?ストレージコストの賢い圧縮方法【第1回】

かつてSSDは「データ削減」を実行しにくかったが、状況は変わってきた。企業のデータ保管量が増大し、その一方でSSDの利用が広がる中で、その役割は極めて重要になりつつある。

2023年05月15日 05時00分 公開
[Robert SheldonTechTarget]

 「SSD」は消費者向けのストレージだけではなく、企業のデータセンターのストレージとして使われることも一般的になった。企業は日々生じるさまざまなデータを、SSDに格納し続けている。こうした中、SSDを利用しつつ「データ削減」を実行する重要性が浮上した。データ削減とは、そもそも何なのか。

SSDの「データ削減」とは? 変わるストレージ事情

 ストレージベンダーは、SSDをベースにしたストレージシステムに、データ削減の機能を搭載することが一般的になっている。SSDは、主にプライマリーストレージ(本番用として使用するストレージシステム)で使われる。以前は、データ削減と言えばバックアップ用ストレージ向けの役割が主だった。それがプライマリーストレージでも使われるようになってきたということだ。

 SSD搭載のプライマリーストレージでデータ削減が重要になることを受けて、ストレージベンダーはデータ削減に関する機能の改良に注力している。例えばI/O(データの入出力)などのパフォーマンスへの悪影響を最小限に抑えつつ、より効率的にデータの保管量を減らす工夫だ。

 データ削減の効果は、ストレージ製品ごとに差がある。パフォーマンスを劣化させる程度もストレージ製品によって異なる。そのため企業の担当者は、製品を選ぶ際に、アプリケーションのパフォーマンスへの影響や、コスト削減効果を十分に理解する必要がある。

そもそも「データ削減」とは

 データ削減は、複数の機能を包含する広い意味を持った用語だ。一般的には「データ圧縮」と「重複排除」という2つの主要技術に焦点が当てられる。データ圧縮はビット単位、重複排除はストレージにおける「ブロック」(データ領域)単位で、無駄なデータを削減する。

 バックアップやアーカイブ用のストレージにおいては、ストレージの容量をできるだけ有効に使用することが重要になる。そのため企業は、以前からデータ削減の効果を重視してきた。

 プライマリーストレージにおいては、企業はデータ削減を実施することに消極的だった。アプリケーションのパフォーマンスに悪影響を与える可能性があるためだ。プライマリーストレージとして「オールフラッシュストレージ」(SSDのみで構成するストレージアレイ)を使う動きが広がっても、その傾向はしばらく続いていた。だが状況は変わり、オールフラッシュストレージにおいてもデータ削減を適用することが珍しくなくなりつつある。


 第2回はデータ削減についてより具体的に、利用する場合の利点や注意点を紹介する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news173.png

広告運用自動化ツール「Shirofune」がAmazon Adsに対応
ShirofuneがAmazon Adsの運用自動化機能をリリース。予算管理・入札最適化と成果分析、レ...

news157.png

若年層の4人に1人が自分の位置情報を共有する「位置シェアラー」――博報堂とLinQ共同調査
位置情報をシェアすることで生まれる新しいつながり「シン密圏」の実態に関する調査結果...

news125.jpg

「Gemini時代」のGoogleの広告ビジネスはどう変わる? ピチャイCEOが語ったこと
テック業界の巨人の第1四半期決算発表で議論の中心となったのは、生成AIおよび「YouTube ...