過剰な発熱「オーバーヒート」が発生すると、SSDがデータを正しく保持できなくなることがある。基本的な対処法が、SSDの冷却だ。どのような冷却手段があるのか。
動作中のSSD内部にあるNAND型フラッシュメモリは、発熱を続けることで設計上の最高温度(コンシューマー向けの場合は70℃程度)に容易に達する。過剰な発熱である「オーバーヒート」が発生すると、NAND型フラッシュメモリがデータを保持しにくくなり、データの整合性(正確性や信頼性)が損なわれかねない。ストレージベンダーがSSDに冷却機能を用意するのは、こうした問題に対処するためだ。
SSDの冷却には、幾つかの選択肢がある。
コンピュータの筐体(きょうたい)内またはマザーボード(主要部品を搭載したプリント基板)周辺に、適切なエアフロー(空気の流れ)を確保するだけで、SSDの温度を許容範囲内に維持できる場合がある。高速な動作が必要な場合は、放熱を促す冷却用パーツ「ヒートシンク」がSSDの熱を下げる役割を果たす。
ヒートシンクには、大きく分けて「アクティブヒートシンク」「パッシブヒートシンク」の2種類ある。1つ目のアクティブヒートシンクは、SSDに直接取り付け、ファンで冷却する。2つ目のパッシブヒートシンクは、SSDに取り付けた金属の板を介して、熱伝達によりSSDを冷やす。SSDから発生した熱を継続的に空気中に放散することから「ヒートスプレッダ」とも呼ばれる。
アクティブヒートシンクと比べて、パッシブヒートシンクには幾つかの利点がある。騒音を発生させるファンを備えないので、かさばりにくい。アクティブヒートシンクよりも安価な傾向がある。パッシブヒートシンクの欠点は、冷却力が固定であることだ。単位時間当たりのSSD発熱量が上がっても、放熱量を引き上げることが難しい。
次回は、SSDのヒートシンクを取り巻く動きと、適切な冷却方法を選択するポイントを整理する。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
「ファクトチェック廃止」の波紋 Metaにこれから起きること
Metaがファクトチェックの廃止など、コンテンツに関するいくつかの重要なルール変更を行...
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年1月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
「非常時にピザ1枚無料」のデータがドミノ・ピザのマーケティングに生む好循環とは? CMOに聞く
2024年10月にDomino'sのチーフブランドオフィサーからエグゼクティブバイスプレジデント...