過剰な熱が発生する「オーバーヒート」は、SSDにどのような影響をもたらすのか。どの程度の温度になるとオーバーヒートだと判断できるのか。SSDのオーバーヒートに関する、こうした疑問を解消する。
SSDは動作時に熱を発する。過剰に熱が発生する「オーバーヒート」の状態になると、SSDはデータ読み書き速度や耐久性といった性能を損なう。オーバーヒートの原因や対策はさまざまだ。放熱を促す冷却用パーツ「ヒートシンク」は、オーバーヒートを軽減するための一つの方法にすぎない。SSDのオーバーヒートとは何であり、どのような問題を引き起こすのか。
これまでSSDにとって、熱は必ずしも問題にはならなかった。ストレージインタフェースにHDDと同様の「SATA」(シリアルATA)を用いた、SSD登場初期から存在するシンプルなSATA接続型SSDでは、熱はあまり問題視されていなかった。
ストレージインタフェースに「NVMe」(NVM Express)を採用したNVMe接続型SSDでは、オーバーヒートが問題になりやすい。NVMeはI/O(入出力)インタフェースに「PCI Express」(PCIe)を採用した、SSD向けのストレージインタフェースだ。NVMe接続型SSDは、SATA接続型SSDをはじめとする従来のSSDよりもデータ転送速度を高めている。こうした高速さは発熱量の増加につながる。
そもそもオーバーヒートとは、どの程度の温度になることを指すのか。これを言い換えると、どの程度の温度になると、SSDに問題が生じるのか、ということになる。
コンシューマー向けSSDが搭載する一般的なNAND型フラッシュメモリは、0度から70度程度の温度で動作することを想定している。そのためNAND型フラッシュメモリの温度が70℃を超えると、問題が発生する可能性がある。ヒートシンクがないNVMe接続型SSDの場合、数分から数十秒以内にNAND型フラッシュメモリの温度が70度を超えることがあるという。
PCIeのバージョン5.0(PCIe 5.0)への移行といった技術進化に伴い、NVMe接続型SSDのデータ転送速度が高まると、オーバーヒートの問題はより深刻になる。SSDベンダーにとっては、発熱に対処しつつ、いかにSSDの性能を向上させ続けるかが課題となっている。
次回は、SSDのオーバーヒートが発生する主な原因を探る。
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