「SSD」の価格は下落するのか、上昇するのか。それは普段の業務にはあまり影響のないことだ。だが今後もSSDをさまざまな業務に使うのであれば、その裏側を知っておいて損はない。
製品価格は、基本的には需要と供給のバランスから影響を受ける。NAND型フラッシュメモリを搭載するストレージ「SSD」にも、この考え方が当てはまる。過去数年は、珍しい値動きがあった。市場で何が起きているのか。SSDをより賢く購入できる“決め手”を教える。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が発生してから、SSDの需要が非常に高くなり、価格に影響があった。その影響は、NAND型フラッシュメモリ1GB当たりの価格の推移を見ると分かる。半導体関連企業が加盟する組織、World Semiconductor Trade Statistics(WSTS:世界半導体市場統計)が公表する数値によると、2019年まで下落基調にあった価格推移は、2019年から2022年はほぼ横ばいになった。
NAND型フラッシュメモリの市場価格は、供給不足になると横ばいになり、供給過剰になると製造原価に向かって価格が下がる傾向にある。その値動きの傾向は「DRAM」(Dynamic Random Access Memory)でも同様だ。2023年現在は、NAND型フラッシュメモリの市場価格は製造原価と同程度になる方向へと下がっているので、大幅な価格下落が起こっている状況だと言える。
今後の市場が典型的な値動きをするならば、市場価格は急落した後、年率30%程度まで下降ペースが緩やかになる。その傾向は、需要と供給が同程度に回復するまで続く。調査会社Objective Analysisの予測によると、供給過剰から供給不足へ転じるタイミングは、2024年中頃にやってくる。
結論として、NAND型フラッシュメモリやSSDの価格が上昇に転じることは、2024年まではないと考えられる。
第4回は、価格を考慮してSSDを賢く購入するための考え方を紹介する。
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