2022年後半から、SSD関連ベンダーの業績が急激に悪化し、SSDの市場に異変が生じている状況が明らかになった。何が理由でベンダー各社は悲惨な事態に陥ったのか。
「SSD」市場はオフィス離れの影響で一時は盛り上がったものの、状況が一変した。SSDやNAND型フラッシュメモリを製造するベンダーの業績は、ひどい状況だ。各社はビジネス環境が大きく変わってしまったと口をそろえる。何が起きているのか。
NAND型フラッシュメモリを含め、幅広く電子機器を製造するSamsung Electronicsが発表した2022年10~12月期の業績は、営業利益が4兆3100億ウォンで、前年同期比約69%の大幅減となった。同社は2023年1月、業績発表に先立って今後の見通しを発表していたため、投資家にとってこの結果は織り込み済みだった。
Samsung Electronicsの経営陣は「世界的な景気減速の中で需要が低迷し、事業環境が大幅に悪化した」と述べる。主因は、個人消費の低迷だ。特にNAND型フラッシュメモリ分野では、景気の不透明感から在庫調整(過剰在庫を減らすための調整)の動きがあり、同社の事業もその影響を大きく受けた。
打撃を受けたのはストレージベンダーWestern Digitalも同様だった。2022年10月~12月期の同社の売上高は、前年同期比約36%減の31億700万ドルとなった。同社は業績発表で、NAND型フラッシュメモリとHDDの両方の「ビット成長率」(ビット数に換算した成長率)が減少したと報告した。
Western Digitalは、ウェハー(半導体製品の基板材料)投入量を抑制し、需要と共有を近づける調整を図った。同社は、SSDでは企業向けの需要が落ち込んでいるものの、コンシューマー向けの売れ行きは堅調だと説明する。
メモリベンダーSK hynixは、2022年10月~12月期の業績で、約17兆100億ウォンの営業損失を計上。同社もNAND型フラッシュメモリの価格下落に苦しんでおり、投資額を削減すると同時に、減産を継続する。メモリ規格「DDR5」のメモリモジュールと、メモリセルを238層に積層したNAND型フラッシュメモリの量産は継続する。
第3回は、ベンダーの業績悪化が起きる中で浮上する人員削減や合併の動きを紹介する。
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