FBIがAppleの「iCloud」セキュリティ強化策に反発 何がまずいのか?AppleのE2EEに対する賛否【第5回】

「iCloud」内のデータを守るセキュリティ機能「iCloudの高度なデータ保護」の中核要素として、Appleは「エンドツーエンドの暗号化」(E2EE)を採用した。この動きをFBIが懸念しているという。その理由とは。

2023年05月02日 05時00分 公開
[Arielle WaldmanTechTarget]

関連キーワード

Apple | セキュリティ | 暗号化


 Appleのオンラインストレージサービス「iCloud」に備わるセキュリティ機能「iCloudの高度なデータ保護」(Advanced Data Protection for iCloud)は、データの送信元から送信先までの通信を暗号化する「エンドツーエンドの暗号化」(E2EE)を活用する。このE2EEを理由に、iCloudの高度なデータ保護は米連邦捜査局(FBI)の反発を招くことになった。

FBIが「E2EE」に反発する“なるほどの理由”

 セキュリティやプライバシーの専門家がiCloudの高度なデータ保護を称賛したのに対し、米連邦捜査局(FBI)は懸念を表明した。E2EEによって「サイバー攻撃や薬物の密売、テロに関する法執行活動の妨げになる」というのがその理由だ。

 FBIは、AppleがiCloudの高度なデータ保護を発表した当日に声明を出した。その声明においてFBIは「E2EEは、特定のエンドユーザーだけが利用可能な暗号化を生み出した」と指摘。「これは警察などの法執行機関が米国民のために攻撃者と戦い、裁く力をそぐものだ」と主張する。経済誌『Wall Street Journal』でサイバーセキュリティとインテリジェンスの記者を務めるダスティン・フォルツ氏は、iCloudの高度なデータ保護に対するFBIの反応を、Twitterの同名ミニブログで紹介した。

 たとえ法執行当機関が召喚状を出しても、暗号鍵がなければ、Appleは暗号化されたiCloud内のデータを閲覧できない。サイバーセキュリティとプライバシーを専門とするPKF O'Connor Daviesのパートナー、ニック・デリーナ氏によると、暗号化は意見が激しく対立する争点であり続けている。例えば2015年の米カリフォルニア州サンバーナーディーノで発生した銃乱射事件の際、犯人のスマートフォンにFBIが侵入するのに、Appleが協力を拒んだことで議論が激化した。


 第6回は、E2EEを活用するAppleの試みが巻き起こした論争を紹介する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2024年3月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news175.png

AI同士が議論して商品開発のアイデア出し 博報堂が「マルチエージェント ブレストAI」の業務活用を開始
専門知識を持ったAI同士が協調して意思決定と企画生成を行う仕組みを活用。最適な結論や...

news172.jpg

デジタルサイネージ一体型自動ドアによる広告配信サービス ナブテスコが提供
ナブテスコがデジタルサイネージ一体型自動ドアを広告メディアとして利用する新サービス...