猛威を振るう攻撃にどう対処するか
導入済みの「SASE」見直しも? ネットワークセキュリティの“3大動向”
クラウドサービスの普及を背景に、ネットワークセキュリティの重要性が高まっている。今知っておくべきトレンドは何か。「SASE」の導入傾向をはじめとした、2025年の動向を簡潔にまとめた。
2025年に入ってからもサイバー攻撃は猛威を振るっている。SaaS(Software as a Service)をはじめとしたクラウドサービスを狙った攻撃も活発になっており、クラウドサービスを保護するためのネットワークセキュリティの重要性が増している。ネットワークセキュリティの2025年の主要な動向とは何か。クラウドサービスを安全に使うために見逃してはいけない、3つのトレンドを紹介する。
1.SASE、SSE利用の拡大
ネットワークセキュリティの新しい手法や技術として「SASE」(セキュアアクセスサービスエッジ)と「SSE」(セキュリティサービスエッジ)が登場してから5年以上が経過した。SASEはネットワークとセキュリティの機能を組み合わせたクラウド型の仕組みだ。SSEはSASEを構成するコンポーネントで、セキュリティの機能を集約している。SASEとSSEの導入は広がりつつあるが、取り組みの進捗(しんちょく)は組織によって大きく異なる。
SASEとSSEの利用に関して大半の組織はまだ初期段階にあり、自社に適した活用方法を模索したり、ベンダーの選定を進めたりしている。一方でSASEとSSEをいち早く導入した組織は、アクセス制御の強化やクラウド移行といった初期の目標を広げ、より高度なセキュリティ効果を求めている。例えば、SASEとSSEからさまざまなデータを得て、脅威の検知や対処に生かす取り組みが注目されている。
もう一つ、SASEとSSEを巡る新たな動向として注目されるのがベンダー選定の見直しだ。SASEとSSE製品は技術や機能、使い方などのさまざまな面で進化し、選択肢が広がっている。これを背景に、ベンダーを変更する組織の増加が見込まれている。
2.生成AIによる運用管理の自動化
画像や文章を生成するAI(人工知能)技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)の普及は、ネットワークセキュリティにも影響を与えつつある。生成AIは、攻撃者に悪用されるリスクがある一方で、システムを保護する側にもさまざまなメリットをもたらすと考えられる。特に生成AIに対する期待が大きいのは、ネットワークセキュリティの運用管理の作業を自動化することだ。
2025年には、ネットワークセキュリティ製品に生成AIを取り入れて運用管理作業を部分的に任せる方向に、大きな進歩が見られるだろう。今すぐにそうした製品が登場するというよりは、中期的なトレンドとして捉えてもらいたい。
3.ネットワークセキュリティとID管理の連携
近年、ネットワークとセキュリティの一体化が進んでいる。そうした中、ネットワークセキュリティベンダーが「次の市場」として着目しているのは、ID(アイデンティティー)の分野だ。ネットワークセキュリティにおいて、ID保護は極めて重要だ。そのため、ネットワークセキュリティベンダーとID管理ベンダーの連携が進む可能性がある。
全ての通信を信頼しない「ゼロトラストセキュリティ」の考え方を取り入れた技術の一つとして「ZTNA」(ゼロトラストネットワークアクセス)がある。ZTNA製品の大半では、特権アクセス管理が中核的な機能になっている。SASE製品はシングルサインオン(SSO)機能を備えた製品もあるが、大半の組織は現在もID管理ベンダーに頼り続けている。そう考えると、今後、ID管理ベンダーを買収して製品を統合させるネットワークセキュリティベンダーが出てくるのは、十分にあり得ることだと筆者はみている。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国Informa TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[日本オラクル株式会社] ピンチをチャンスに変えたEPR製品は? 先行企業の導入事例3選 -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] 無自覚なリスク 秘伝Excelファイルが監査の壁、不正・ミスの温床となる理由 -
製品資料
[日本オラクル株式会社] 戦略的経理の第一歩 失敗のない「脱Excel」を実現する秘訣とは? -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] いまさら聞けないオンプレERPとクラウドERPの違い 最適な製品をどう見極める? -
事例
[株式会社ビザスク] 連結売上高が約2倍に成長、富士フイルムが実践した新規事業創出の戦略とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
2
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
3
年収700万超エンジニアに共通するスキルと「もっと勉強すべきだった分野」
-
4
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
5
クラウド資格コレクターは評価されない? 年収1000万を分ける“OSの理解度”
-
6
脱VMwareか、継続か? 仮想化ソフト主要6製品の機能とスペックを徹底比較
-
7
JSONをやめてPythonで送る トークン消費を約7割抑えるAIの設計
-
8
「0.3秒のスピード顔認証」の入退室管理が社員に好評 事例に学ぶオフィス改革
-
9
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
10
慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
9
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー