AI技術を処理するためにデータセンターの拡張が進んでいる中、Cisco Systemsはデータセンターの運用効率を高められるAI関連の新製品を投入した。どのようなものなのか。
Cisco Systemsは人工知能(AI)技術の活用を目指す企業の需要に応えるため、データセンター向け製品開発に力を入れている。同社は2025年6月に米国で開催した年次イベント「Cisco Live 2025」で、複数のAIエージェントを組み合わせてデータセンターの運用効率化を支援するフレームワーク「Cisco Crosswork Multi-Agentic AI Framework」を発表した。フレームワークとは、プログラムの開発に必要な機能をまとめた機能群のことだ。どのような製品で、アナリストはどう評価しているのか。
Cisco Crosswork Multi-Agentic AI Frameworkは、ネットワーク運用の一部を自動化できる、Cisco Systems独自のAIエージェントを搭載。他社が開発したAIエージェントとも組み合わせて利用できる。この製品の主なターゲットはサービスプロバイダーだ。
Cisco Systemsバイスプレジデント兼最高製品責任者(CPO)のジートゥ・パテル氏は、AI技術の普及を背景に、「人類史上最大級のデータセンター拡張期を迎えている」とみる。実際に、大規模なデータセンターを運営するハイパースケーラー向けインフラ製品のニーズが旺盛だと同氏は説明する。同社は、Cisco Crosswork Multi Agentic AI Frameworkをネットワーク運用自動化ツール「Cisco Crosswork Network Automation」に搭載することを計画中だ。
調査会社Moor Insights & Strategyのアナリスト、ウィル・タウンゼント氏は、Cisco Crosswork Multi-Agentic AI Frameworkの強みを「データセンター運用に不可欠なコンピューティング、ネットワーキング、セキュリティの3つの領域を網羅していること」だと述べる。
Cisco SystemsはCisco Live 2025で他にもAI技術関連の製品を発表した。
Cisco SystemsはAI技術分野で、半導体製品を手掛けるNVIDIAとの協業を拡大することも発表した。AI技術利用のためのインフラ製品群「Cisco AI PODs」において、NVIDIAのGPUシリーズ「NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell」との組み合わせを可能にしている。NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwellは、高性能コアや高速メモリを搭載し、AI関連処理を扱いやすいように設計されている。
Cisco Systemsのネットワーキング、データセンターおよびプロバイダー接続部門のシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャー、ケビン・ウォーレンウェーバー氏は、この組み合わせによって「AI技術利用時のインフラの制御性を高められる」と語る。
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