「ポート番号」は、通信の仕組みを理解する上で欠かせない基礎知識だ。「8080番ポートとは何か」「プロキシのポートは」など、ポート番号を理解するための基本を解説する。
ネットワークに関する基本用語の一つに「ポート番号」がある。「HTTP」(Hypertext Transfer Protocol)や「SMTP」(Simple Mail Transfer Protocol)といった通信プロトコルは、特定のポート番号を通じてデータを送受信する。
ポート番号は耳にしたことがあっても、「ポート番号とは何か」「8080や993といった番号にはどのような意味があるのか」を正しく理解している人は多くないだろう。本稿は、そうしたポート番号をよりよく理解するための知識をまとめた。「Windows」や「macOS」でのポート番号の調べ方も紹介するので、ネットワークトラブルの解決や設定変更の参考にもなるだろう。
ポート番号にはそれぞれ“役割”がある――と言われても、ピンと来ないだろう。以下では、代表的なポート番号を挙げながら、何にどのように使われているのかを整理する。
ローカルホストとは、自分自身のコンピュータを指す際に使用される名称で、ネットワーク接続のテストや開発環境での通信に使われる。通常、ローカルホストのIPアドレスは「127.0.0.1」で、このアドレスは「ループバックアドレス」とも呼ばれる。例えば「80番ポート」は、Web通信で使われるHTTPの標準ポートとして広く利用されている。
8080番ポートは、Webサーバでよく使われるポートの一つで、特にHTTPの代替ポートとして利用されることが多い。ドメイン名の末尾に「:8080」とポート番号を付加すると、その番号を使ってWebサーバにアクセスする仕組みになる。ただし、8080番ポートは慣例的に使われることが多いものの、セカンダリ(2次)Webサーバ専用として予約されているわけではない点には注意が必要だ。
3360番ポートは、TCP/IPネットワークで使用されるポートの一つで、特に「MySQL」や、その派生版である「MariaDB」などのデータベース管理システムで使われることがある。通信には接続指向のプロトコルであるTCP(Transmission Control Protocol)が用いられ、通信の開始には「3ウェイハンドシェイク」と呼ばれる手順を使い、エンドツーエンドの接続を確立する。接続が確立されると、その接続を介してユーザーデータが双方向に安定して転送される。
ルーターの「パブリックIPアドレス」(外部に公開されているIPアドレス)を調べる手軽な方法は、Googleなどの検索エンジンに「what is my IP?」(私のIPアドレスは何ですか)と入力することだ。一方、自分のPCで使用されているポート番号を特定する方法は、利用しているOSによって異なる。どのアプリケーションが動作しているかによって使用されるポート番号も変わってくる。
プロキシサーバとは、クライアントデバイス(利用者のPCやスマートフォンなど)とリモートサーバの間に介在し、インターネット経由の通信リクエストを中継・処理するコンピュータだ。いわば「代理」としてリクエストを受け取り、適切な宛先に転送する仲介役を担う。
プロキシサーバを使用すると、ローカルコンピュータ(利用者の端末)が送信するWebリクエストは、自動的にプロキシサーバを経由するようになる。このとき、プロキシサーバは自らのIPアドレスを用いてリクエストを転送し、ユーザーのIPアドレスは外部に公開されない。その結果、クライアントのIPアドレスが秘匿され、ユーザーの位置情報を隠せるといったプライバシー保護のメリットが得られる。
プロキシサーバのIPアドレスを指定する際には、末尾にコロン(:)で区切ってポート番号を付加するのが一般的だ。例えば「192.168.0.1:8080」のように表記する。多くの場合、プロキシサーバでは8080番ポートが使われるが、このポート番号はWebサーバやキャッシュサーバでもよく使用されるため、用途が重なることもある。
「Gmail」は、メールの受信に「IMAP」(Internet Message Access Protocol)、送信に「SMTP」(Simple Mail Transfer Protocol)という通信プロトコルを使用している。IMAPの標準ポートとしては993番、SMTPのポートは465番(または587番)が一般的に使われる。25番ポートはSMTPの標準ポートとして使われてきたが、迷惑メール対策などの理由から多くのISP(インターネットサービスプロバイダー)でブロックされており、代替ポートの使用が推奨されている。
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