地方の情報格差を解消する「Wi-Fi」【中編】
Wi-Fi「6GHz帯」の意外な活用法とは? 無線LANの業界団体WBAが注目の訳
通信サービスが十分に行き届かない地域のインターネット接続を強化する手段として業界団体が注目する「Wi-Fi」の6GHz帯。その具体的な活用方法を探る。
無線LANの業界団体Wireless Broadband Alliance(WBA)が2022年11月に公開した報告書「Rural Wi-Fi Connectivity: Challenges, Use Cases and Case Studies」は、「Wi-Fi」がある問題の解決につながる可能性に触れた。その問題とは、インターネット接続が不十分もしくは全く利用できない地域における、デジタルデバイド(情報格差)だ。
WBAは規制当局に向けて、Wi-Fiの能力を最大限に生かして地域の情報格差を解消することを提案している。その代表的な例が、6GHz帯の周波数帯を使用可能にすることだ。どのような利点が見込めるのか。
6GHz帯「Wi-Fi」の意外な活用法とは
併せて読みたいお薦め記事
連載:地方の情報格差を解消する「Wi-Fi」
「Wi-Fi」について詳しく解説
通信事業者が6GHz帯の周波数帯を使うことで、より多くのエンドユーザーが、インターネット接続における必要な速度を確保できるようになるとWBAは見込む。通信サービスにおけるユースケースの一例が、Wi-Fiのマイクロ波を経由して、地方にインターネット接続を提供する活用法だ。この例では、河川や山、岩壁など、ケーブルの敷設が難しい地域に、コストや時間がかかる課題を回避しつつ通信サービスを提供することが可能になる。
無線LAN規格の「Wi-Fi 6」(IEEE 802.11ax)を用いることで、免許不要で使用できる周波数の帯域幅が広がる。データ伝送速度は「1Gbps」(bps:bit per second)に達する可能性がある。インドの通信事業者Bharat Sanchar Nigamは、同様の仕組みを基にしたネットワーク「Bharat Air Fiber」を提供している。
携帯電話事業者がWi-Fiを用いて、固定用およびモバイル用のブロードバンドサービスを提供する事例もある。1平方キロの地域と人口約4000人をカバーできる通信設備を設置する場合、設備投資と運用コストは携帯電話基地局を設置するよりもWi-Fiを使用した場合の方が、一般的には安く済む。そのコストには以下のコストも含まれる。
- アンテナ
- バッテリー
- 電柱とアース線
- ケーブル
- 中継回線であるバックホール
- LANケーブルで電力供給するPoE(Power over Ethernet)
- ソーラーパネル
- ソーラーパネルからの充電を制御する充放電コントローラー
後編は、他技術と比較したWi-Fiの優位性や、実際の活用事例について詳しく紹介する。
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[Jamf Japan 合同会社] MDMだけでモバイルセキュリティは十分? 不足する対策を16項目でチェック -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的な家電メーカーが実践する「クリエイティブプロセス効率化」の方法とは? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 世界的テクノロジー企業に学ぶ、プロセス標準化とプロジェクト納品自動化の秘訣 -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソニー・ピクチャーズ テレビジョンに学ぶ、次世代サービスデリバリーのヒント -
事例
[Wrike Japan 株式会社] ソミック石川に学ぶ、ICT浸透後に直面した「工数管理」の課題と解決策
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
2
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
4
【基本情報技術者試験】「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」の違いは?
-
5
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
6
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
7
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
8
エンジニアが選考を辞退する本当の理由 7割が隠す“面接の違和感”とは
-
9
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
10
なぜOpenAIやAnthropicのAIは「脱走」したのか 情シスが迫られるエージェント統制
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
-
9
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
10
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー