“大成功した無線通信”の歴史と今後【第8回】
「Wi-Fi 6」も「5G」も使うのは無駄? 本当に必要なのは何?
類似する特徴が幾つかある「Wi-Fi 6」と「5G」。両方を使うのか、どちらかを使うのかが今後より重要になる可能性がある。両者の違いを踏まえて使い方を考えることが不可欠だ。それぞれ、どのように使えばよいのか。
無線LAN規格「IEEE 802.11ax」(Wi-Fi 6)と、モバイルネットワークの規格「5G」(第5世代移動通信システム)に共通する特徴は少なくない。両方とも、デバイスの存在が高密度になる場所での接続の安定性や、データ伝送速度の高速化、消費電力の低減などに主眼を置いている。無線LANとモバイルネットワークは、そもそもは競合する技術ではない。だが、その見方は変わりつつある。
「Wi-Fi 6」と「5G」はこう使い分けるべし
併せて読みたいお薦め記事
連載:“大成功した無線通信”の歴史と今後
無線LANはLANの無線化、モバイルネットワークは外出先でのインターネット接続という主な用途を踏まえると、両者は競合する通信技術ではない。だがWi-Fi 6と5Gになると、競合する部分が目立ち始める。
例えば小規模な支店であれば、無線LANの機器を設置しなくても、5Gの通信だけで用が済む可能性がある。無線LANの代わりに5Gを使用することは、今後ますます一般的になると考えられる。
組織独自のプライベートネットワークとしては、無線LANを利用することが従来は一般的だった。だが5Gでは占有型のネットワークである「プライベート5G」(ローカル5G)という選択肢があるため、見方を変えなければならない。組織は無線LANではなくプライベート5Gを使い、大規模な工場や空港における通信を高速化することが可能になる。
5Gのサービスプロバイダーは、回線を論理的に区切る「ネットワークスライシング」を用意している。これによって用途に応じて帯域幅を使用し、遅延やデータ伝送速度などのパフォーマンスを制御できる。
無線LANとモバイルネットワークの特性が似通ってくると、用途を見極める際の焦点は、地域的な利用範囲の違いに絞られる可能性がある。それは電波を使う際に免許が必要なのか、不要なのかといった問題に関連する。利用範囲の違いで考えると、無線LANよりもモバイルネットワークの方が広範囲になりやすい。基本的にプライベート5Gを運用するには免許が必要で、無線LANは免許が不要だ。
今後は無線LANとモバイルネットワークのどちらかを使うのではなく、両方とも連携させて使うことも実現する可能性がある。企業は将来的に、オフィスや自社の敷地内で使う無線LANと、その外部で利用するモバイルネットワークを、シームレスに使える状況が来ると期待できる。
無線の使い勝手を高めるためには、使う場所だけではなく、ネットワーク接続の状況の良しあしまでも加味して、シームレスにネットワークを切り替えられるかどうかが重要になる。それが実現すれば、企業は場所を選ばない働き方の快適性をより高めやすくなる。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー