Intel創業者ムーア氏の半生【前編】
「ムーアの法則」とIntel創業者の半生を振り返る
半導体ベンダーIntelの生みの親にして、半導体の進化の指標となった「ムーアの法則」を提唱したゴードン・ムーア氏が逝去した。ムーアの法則が生まれた背景を、同氏の半生と共に解説する。
2023年3月24日(米国時間、以下同じ)、Intelの共同創業者ゴードン・ムーア氏が94歳でその生涯を終えた。ムーア氏は、1929年3月3日に米カリフォルニア州サンフランシスコに生まれ、カリフォルニア工科大学(California Institute of Technology)で博士号を取得した。
1956年に、ムーア氏はトランジスタの共同発明者であるウィリアム・ショックレー氏が創業したShockley Semiconductor Laboratory(ショックレー半導体研究所)に勤める。同研究所は、後に「シリコンバレー」と呼ばれるようになった地域にあった。ムーア氏はここで長年の同僚となるロバート・ノイス氏と出会う。
有名な「あの法則」には“原型”があった
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ムーア氏とノイス氏は1957年にショックレー半導体研究所を退社し、半導体製造会社Fairchild Semiconductor International(フェアチャイルドセミコンダクター)の設立に参加している。両氏はそこで、従来のトランジスタより品質管理がしやすい「拡散型シリコントランジスタ」の商用製造における中心的な役割を果たした。
その後ムーア氏は、半導体回路の集積密度の成長速度を予測する「ムーアの法則」でその名が知られるようになった。ムーア氏が同法則を披露したのは1965年、ある雑誌の取材で集積回路の成長予測について尋ねられた時のことだった。
当時、ムーア氏はFairchild Semiconductor Internationalの研究所でディレクターを務めていた。取り組んでいたのは、同研究所が保有していた最も複雑なチップ(集積回路)のトランジスタ数を倍増させることだった。同氏は「端的に言えば、チップに搭載できるトランジスタ数は毎年ほぼ倍増している」と前置きした上で、次のように説明した。「最大60個のトランジスタが搭載されている1965年を基準点として単純に予測すれば、10年後の1975年にはチップ上に搭載されるトランジスタ数は約6万個になる」
ムーアの法則は、半導体集積回路の集積密度の成長を見据える見解として、半導体業界の一つの指標となっている。この法則は、PCなどの電子機器の進化にも影響を与えている。当初は約1年間でチップ上のトランジスタ数が2倍になるという前提だったが、その後「約2年間で2倍になる」という予測がムーアの法則として定着した。
後編は、ムーア氏の教えを現在のIntelがどのように受け継いでいるのかを紹介する。
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