Windowsアプリケーション継続の是非を問う【第3回】
「WebブラウザがあればWindowsはもはや不要」は本当か
「Windowsアプリケーション」の不要論がささやかれる背景にあるのは、Webブラウザの存在だ。すぐにWindowsアプリケーションがなくなるとは言えない中で、企業が直面する事態とは。
企業が、MicrosoftのクライアントOS「Windows」搭載のエンドポイント(端末)を利用しないという決断をする場合、選択肢の一つになるのは「デスクトップ仮想化」の導入だ。デスクトップ仮想化であれば、Windows端末ではなくても、Windows向けに開発されたアプリケーション(Windowsアプリケーション)を利用できる。
Windowsアプリケーションが今後も残るとは限らないことを前提にすると、ありがちなのは次のような意見だ。デスクトップ仮想化はその場しのぎに過ぎず、いずれは全てが「Webブラウザ」で提供されるようになる――。この考え方に対しては、主に2つの回答が存在する。どちらも的を射ている。
- Webブラウザは最終的にあらゆる機能が提供される場所になるので、この考え方は間違っていない
- この考え方には誤りがある。全てがWebブラウザで提供されるようになるとしても、それにはかなりの時間がかかるため、デスクトップ仮想化はその場しのぎの手段とは言い切れない
併せて読みたいお薦め記事
連載:Windowsアプリケーション継続の是非を問う
Windows関連で人気の話題
Windowsの代替プラットフォームはあり得るのか
業務に必要なWindowsアプリケーションが多少なりとも存在する限り、企業はWindowsアプリケーションの利用を続けるための対策を打たなくてはならない。全てのアプリケーションがWebブラウザベースになる未来は、当分先の話になる。なぜかといえば、Windowsアプリケーションからの移行は技術的に困難な点があるため時間がかかり、IT部門やエンドユーザー、組織全体に多大な影響を及ぼすからだ。
Windowsアプリケーションを排除するには、非Windowsのプラットフォーム(アプリケーション実行基盤)を選択し、移行にまつわる課題を短期間のうちに解決することが条件になる。CRM(顧客関係管理)システムの「Salesforce」や経費精算ツールの「SAP Concur」、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの「Tableau」などが、特定の目的を達するためのプラットフォームとして成功した理由は何だろうか。企業が必要とする各種の機能を1つのプラットフォームにまとめ、既成のツール群として短期間で利用可能にしたことが大きい。
とはいえ、特定の用途のために社内開発したカスタムアプリケーションの場合、既成のツール群に移行することで全ての要件を満たせるとは限らない。同じことは、Microsoftのオフィスアプリケーション群「Microsoft Office」のクライアントアプリケーション版から、Webブラウザ版に移行する際にも言える。Microsoft Officeのクライアントアプリケーション版は、Webブラウザ版と比べて豊富な機能を備える。
既存のクライアントアプリケーションをSaaS(Software as a Service)などのWebアプリケーションに何の問題もなく移行できるのなら、企業はすでにそうしているはずだ。それができないから、どれほどモダンな将来構想を掲げる企業であっても、Windowsアプリケーションを当面は使い続けることになる。企業はWindowsを使い続けるかどうかではなく、まずはWindowsやアプリケーションをどのように使うのかを考えるべきだ。
第4回は、「非Windows」のエンドポイントが台頭する状況をまとめる。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
“攻撃者優位”なサイバーセキュリティ、全ての「穴」をふさぐ方法とは? -
製品資料
実際に悪用される脆弱性は4%前後 優先的に対処すべき脆弱性を把握するには? -
製品資料
HubSpotの機能を拡張する法人データ活用法 -
製品資料
面倒で非生産的な「名寄せ」作業 高精度&高効率に実施するには? -
製品資料
名刺管理には「その先」がある 成果のでない営業活動から脱却する秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
2
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
4
Netflixのバックエンドは「ほぼJava」 3000超のアプリを支える開発基盤の裏側
-
5
ただなのに「12時間以内の復旧」も要求 無償OSSに商用レベルを求める企業の末路
-
6
レガシーコードを捨てJavaで勘定系を再定義 ソニー銀行、フルクラウド化の全容
-
7
マンガで解説:KSK2稼働で何が変わる? 税務調査の高度化に備えるデータ管理
-
8
「0.3秒のスピード顔認証」の入退室管理が社員に好評 事例に学ぶオフィス改革
-
9
「ITインフラとデータ保護・バックアップ対策」に関するアンケート
-
10
AWS障害でも補償ゼロの衝撃 サイバー保険で情シスが見落とす「細則の壁」
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
4
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
5
コスト分析で見る「デバイス復旧」の代償 損失額から導きだされた投資戦略とは
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
「結局、一部の人しか使わない」 AI活用が業務に定着しない根本的な理由
-
8
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
9
3分で分かる経理DX 富士通が約20%の業務効率化を実現した方法とは
-
10
ランサムウェア攻撃を“二重の防御構造”で防ぐ、クラウド型基幹システムの実力
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー