「従業員監視」の法規制を巡る議論【後編】

従業員監視の是非を議論する英国 「つながらない権利」は保障されるのか

英国政府はコネクテッドデバイスの利用実態に関する調査資料を公開し、これを従業員監視に用いる際は「従業員の同意が必要」という見解を示した。政府の動向に対して、市民団体の反応は。

 英国のデジタル・文化・メディア・スポーツ省(Department for Digital, Culture, Media and Sport:DCMS)の特別委員会が2023年8月に公開した調査レポート「Connect tech:smart or sinister」は、コネクテッドデバイス(ネットワークに接続したデバイス)を用いて従業員の稼働状況の見守りや監視をする場合、企業は従業員から明確な同意を得る必要がある、と主張している。監視によって、従業員の作業効率やメンタルヘルスに悪影響が及ぶ可能性があるためだ。

 英国の科学・イノベーション・技術省(Department for Science, Innovation & Technology:DSIT)が2023年3月に公開した「A pro-innovation approach to AI regulation」によると、英国政府は安全衛生庁(Health and Safety Executive:HSE)をはじめとする規制当局に対して、それぞれが管轄する分野におけるAI(人工知能)技術の利用方法に応じたルールを作成する権限を認めている。

「従業員監視」の規制法に対する議論と、実態の把握

 だが研究機関Ada Lovelace Instituteは、2023年7月に公開した「Policy briefing: Regulating AI in the UK」を通じて次のように警告している。

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