マルチクラウド時代になぜOSSが重要なのか【第3回】

「OSS」は企業に何をもたらすのか? プロプライエタリとは違う4つの特性

OSSは企業にとって、認識しているか認識していないかにかかわらず、極めて“身近な存在”になった。OSSは企業に何をもたらすのか。その存在意義を、4つの視点で改めて考えてみよう。

 近年、オープンソースソフトウェア(OSS)の利用が広がっています。企業は日常業務にOSSを活用し、クラウドサービスから携帯電話、家電製品に至るまで、私たちの身の回りのさまざまなものがOSSによって支えられるようになりました。

 既存のテクノロジーを活用することは、企業にさまざまな利点をもたらします。例えばOSSを使うことで、一から作ることなくシステム構築が可能になります。OSSのパーミッシブライセンス(ソフトウェアの使用に関する制限が最小限のライセンス)は、ビジネスのアジリティー(俊敏性)を向上させます。

 今日の複雑なITシステムを運用する企業にとって、OSSは“最適な一手”をもたらす存在です。OSSが企業にとって重要になったのはなぜなのか。本稿ではその理由を4つの視点で解説します。

1.OSSにより、“システムの場所”を越えた標準化を実現

 OSSは、複数の場所で同じソフトウェアを実行し、必要に応じて切り替えることを容易にします。開発者は、オンプレミスでもクラウドサービスでも、自身のノートPCでも、同じ使い慣れたOSSのコンポーネントにアクセスすることができます。

 中には、異なるシステムが連携するプロセスを簡素化する“統合レイヤー”として機能するOSSがあります。そのようなOSSの一つが、ストリーミングデータ(継続的に発生するデータ)を中継する分散メッセージングシステム「Apache Kafka」です。Apache Kafkaはアプリケーション間のアーキテクチャ(設計)上の境界を明確にするとともに、開発者が複数のアプリケーションやデータストアにまたがるデータをシームレスに移動できるようにします。

 開発者はこうしたOSSを使うことで、アプリケーションが特定のアーキテクチャにどのように適合するのかを検討したり、必要に応じてアプリケーションを切り替えられるのかどうかを心配したりする必要がなくなります。その代わりに、特定のビジネスニーズを満たすアプリケーションの構築に重点を移せるようになります。

2.OSSは導入時における試行錯誤のプロセスを効率化

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