複雑なサービスメッシュを構築する場合、企業は「OSS」と「サポート付きの有償ツール」のどちらを使うべきなのか。開発力のある企業はOSSを好んで選択する。
「サービスメッシュ」は、マイクロサービスアーキテクチャ(複数の小さなサービスで構成するアプリケーションアーキテクチャ)用の通信制御の仕組みを提供する。サービスメッシュには「オープンソースソフトウェア」(OSS)も、「プロプライエタリ版」(通常は有償の商用ツール)もある。前編「『サービスメッシュ』を支配するツールは? OSSは実用的なのか」は、OSSとプロプライエタリ版の違いを紹介した。
開発力のある企業は、OSSを選ぶことがある。そうした企業はOSSを使用することに幾つかの利点を見いだす。
サービスメッシュのOSSには2種類の選択肢がある。1つ目は、サービスメッシュを構築する企業自身がOSSをソースコードからコンパイル(実行可能な形式に変換)する方法。2つ目はベンダーのサポートサービスをセットにしたパッケージ型のツールを採用する方法だ。少数派だが、中には1つ目を選択する企業もある。なぜそのような判断をするのか。
OSSをベースにしているとはいえ、パッケージ型のツールはもはや無償ではない。OSSの利用に精通した強力な開発チームを持つ企業であれば、社内で有償のサポートと同じことができる。結果的に開発はより低コストに収まる。OSSによる開発経験が豊富な企業にとっては、このコストの利点がOSS戦略の軸になっていることもある。
パッケージ型のツールはOSSの最新機能を反映していないことがある。OSSには頻繁に変更が加わる傾向にあり、それを追跡するのは簡単ではない。パッケージ型のツールは、OSSの新機能を搭載するまでに半年以上かかることもある。
パッケージ型のツールは、特定のOSやミドルウェアのバージョン用にカスタマイズしていることもあるが、クラウドサービスについては事情が異なる。場合によっては、クラウドサービス用のツールを単一のクラウドベンダーから調達しなければ、ソフトウェア間の依存関係を調和させることができないことがある。これをベンダーロックインの一つだと考えて避ける企業は、パッケージ型のツールではなくOSSを使用する。
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