柔軟なシステム構築を支える
「マイクロサービスアーキテクチャ」アプリ開発者が重視すべき3項目とは?
「マイクロサービスアーキテクチャ」に基づくアプリケーションを開発する際、重視すべきこととは何だろうか。主要な3つの項目を紹介する。
独立性の高い小規模のサービス(マイクロサービス)を組み合わせる「マイクロサービスアーキテクチャ」に基づいたアプリケーション(以下、マイクロサービスアプリケーション)開発では、アプリケーション全体を一度に作成してプロビジョニング(本番環境に配備)することはない。特定の機能を実現するマイクロサービスを必要に応じて組み合わせるので、モノリシック(巨大な一枚岩)のアプリケーションよりも簡単に機能を追加したり更新したりできる。
マイクロサービスアーキテクチャのメリットは自動的に生まれるわけではない。メリットを引き出すためには、以下の3つの項目を重視する必要がある。
- 包括的なディレクトリ
- マイクロサービスの容易な入れ替え(会員限定)
- 旧バージョンとの互換性の確保(会員限定)
併せて読みたいお薦め記事
マイクロサービスとは何か
マイクロサービスを活用する
1.包括的なディレクトリ
開発者は、全てのマイクロサービスを包括するディレクトリを設ける必要がある。このディレクトリに含めるマイクロサービスは、オンプレミスかクラウドかを問わない。開発ツールはこのディレクトリと連携し、各マイクロサービスを拡張機能のように利用できるようにしなければならない。これを可能にするプロビジョニングツールの例としてはサーバ設定管理ツール「Puppet」、継続的インテグレーション(CI)ツール「Jenkins」、ソースコード管理ツール「GitLab」などがある。
必要なマイクロサービスを適切なタイミングで利用できるようにするオーケストレーション機能も必要だ。プロビジョニングツールの中にはオーケストレーション機能を持つものがある。コンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」のようなオーケストレーションに主眼を置いたツールの導入を検討するとよいだろう。
2.マイクロサービスの容易な入れ替え
マイクロサービスを複数集めてそれをつなぎ合わせただけでは、モノリシックプリケーションよりも優れたものになるとは限らない。必要に応じてマイクロサービスを加えたり外したりできれば、コンパイル(ソースファイルから実行可能ファイルへの変換)や膨大な量の入れ替えテストを繰り返す必要がなくなる。マイクロサービスの開発者は、他の開発チームやテストチームが自身のマイクロサービスを利用しやすくなるよう、オープン規格や標準化されたAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を用意するとよい。
3.旧バージョンとの互換性の確保
1つのマイクロサービスを変更すると、そのマイクロサービスを活用するアプリケーションに影響を与える恐れがある。その数は数十個あるいは数百個に及ぶ可能性がある。開発者はマイクロサービスを洗練させていく過程で、旧バージョンとの互換性を確保するための計画を立てなければならない。
ここでも鍵を握るのがオーケストレーションだ。Kubernetesをはじめとするオーケストレーションツールを使うことで、マイクロサービスに関わる依存関係を特定し、不整合を確認できるようになる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品レビュー
[Dropbox Japan株式会社] ランサムウェア対策の重要ポイント バックアップがあっても安心できない理由 -
製品資料
[Dropbox Japan株式会社] 失敗しないDropbox導入 移行の進め方と事前設計の注意点 -
製品レビュー
[Dropbox Japan株式会社] 取引先から聞かれる前に知っておきたい、SCS評価制度とファイル共有管理の基本 -
製品資料
[TXOne Networks Japan合同会社] 沖電気工業に学ぶ、OT環境の「リスク可視化」から始めるセキュリティ対策 -
事例
[Neatframe株式会社] 船井総研HDのビデオ会議はここが違う 美観・品質・操作性を追求した環境構築術
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
3
生成AIが普及しても「技術書」を手放せないエンジニアの本音
-
4
増えすぎたAIエージェントが野良化 幹部の36%がインシデント発生時に隠したいと回答
-
5
Microsoft 365導入後も稟議は「Excelをメールで回覧」 承認が止まる理由
-
6
米国防総省で300万人分の個人情報が流出 その「意外な原因」と教訓
-
7
その名は「Hajime」、IoTマルウェア「Mirai」と戦う“善玉ワーム”が出現
-
8
OpenAIやAnthropicでさえ制御不能 2026年夏「3大サイバー攻撃」の衝撃
-
9
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
10
SAPクラウド移行の「想定外」とは? 移行済み企業が明かす最大の壁
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
3
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
4
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
5
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
マンガで学ぶXDR/MDRのメリット、中小企業のセキュリティ強化になぜ有効か?
-
8
SASE選定は「見極め力」で大きな差――本当に必要な製品を選ぶための6つの視点
-
9
Wi-Fi 7はまだ導入しなくてよい? AI時代の企業ネットワーク戦略、次の一手は
-
10
脱VMwareに成功した企業は何をどう実践した? 事例に学ぶ戦略立案&実装のコツ
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー