企業が「ストレージ仮想化」製品の導入を検討する際、比較対象となり得るのが「ソフトウェア定義ストレージ」(SDS)製品だ。両者は何が違うのか。簡潔に紹介する。
前編「ストレージ仮想化の『ファイルレベル』『ブロックレベル』の違いとは?」と中編「ストレージ仮想化の『ホストベース』『アレイベース』『OSベース』『ファイルシステムベース』『ネットワークベース』の違いとは?」、後編「『ストレージ仮想化』製品選定に失敗しない選び方のポイントとは?」の3回にわたり、「ストレージ仮想化」製品を選ぶ際のポイントを説明してきた。ストレージ仮想化製品の導入を検討する企業にとって、比較対象となり得る製品分野に「ソフトウェア定義ストレージ」(SDS)がある。本稿はストレージ仮想化とSDSの違いを簡潔に整理する。
ストレージ仮想化とSDSは同じ技術ではない。この2つの技術は、ストレージへのアクセス手段の提供方法と初期化の方法が異なる。
1つまたは複数の物理的なストレージをまとめ、1つのストレージとして利用できるようにするのがストレージ仮想化だ。ストレージアレイに管理ポリシーを実装したり、仮想マシン(VM)のストレージ制御機能を強化したりして、データ読み書き速度を向上させることができる。ストレージ仮想化製品によっては、データ管理の自動化も実現する。
SDSは、ストレージ仮想化ではハードウェア層で実行する重複排除とスナップショットの機能を、ソフトウェアで実現する。ストレージの冗長性や容量の確保、データ読み書き速度の向上もソフトウェアが担う。古いストレージを交換したり、新しいストレージを追加したりするときに、無停止かつ容易に実行できる。
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