ストレージ仮想化製品を導入するときは、仮想ストレージの種類や手法、管理方法を基に検討することが必要だ。ストレージ仮想化製品の選び方のポイントを説明する。
「ストレージ仮想化」には複数の種類があり、製品によって採用している仕組みが異なる。さまざまな製品の中から自社に最適なストレージ仮想化製品を選ぶには、どのような点に注目すればよいのか。前編「ストレージ仮想化の『ファイルレベル』『ブロックレベル』の違いとは?」と中編「ストレージ仮想化の『ホストベース』『アレイベース』『OSベース』『ファイルシステムベース』『ネットワークベース』の違いとは?」に続く本稿は、ストレージ仮想化製品を選ぶ際のポイントを説明する。
企業がストレージ仮想化製品を効果的に検討するときに、把握すべき要素が幾つかある。まずストレージに対する事業部門のニーズを理解する。事業部門のニーズを理解すると、必要以上に高いデータ読み書き速度やストレージ容量の実現にコストを掛けることを防ぐことができる。ストレージ仮想化を求める理由として、仮想マシン(VM)の起動時間短縮やストレージコスト削減、サービス停止対策、データの重複排除による容量削減などが挙げられる。
ストレージ仮想化技術はインフラを複雑にする。そのためIT部門が購入と実装に踏み切る前に、技術を理解して問題が起きた場合に解決できるようにすることも重要だ。
導入を検討するストレージ仮想化製品は、既存の自社インフラを踏まえて評価する。既存のストレージアレイやサーバ仮想化製品と、導入するストレージ仮想化製品の間で正常に連携できないとインフラはさらに複雑になり、無駄なコストが生じる可能性がある。
ストレージ仮想化製品とストレージアレイが、自社のストレージネットワークの要件に適合していることを確認する。中小企業であればiSCSI(Internet Small Computer Systems Interface)接続のストレージアレイで問題ない場合があるが、大企業ではファイバーチャネル接続のストレージアレイを検討することをお勧めする。
効率的に仮想ストレージを管理するために、必要な作業や報告のワークフローを整えることも必要だ。仮想化していないストレージのワークフローが仮想ストレージでも適切に機能するとは限らず、同じ工程で管理できないこともある。
長期的な視点で考えることも重要だ。ストレージ仮想化製品を導入したら、長期的な運用の点で初期コストが妥当かどうか、ストレージ仮想化製品の長期運用コストを工面できるかどうかも把握しておきたい。
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