ストレージ仮想化には複数の方式があり、その特徴やメリットは異なる。5つのストレージ仮想化方式の仕組みと特徴を説明する。
「ストレージ仮想化」はストレージのデータ格納効率を上げるのに役立つ。ストレージ仮想化製品を選ぶときは、ストレージ仮想化の対象や方式などを考慮し、自社の要件に合った製品を選ぶ必要がある。前編「ストレージ仮想化の『ファイルレベル』『ブロックレベル』の違いとは?」に続く本稿は、仮想化の方式に応じたストレージ仮想化の種類を説明する。
ストレージ仮想化の主な方式には「ホストベース」「アレイベース」「OSベース」「ファイルシステム」「ネットワークベース」の5つがある。特徴がそれぞれ異なるため、自社に最適な方式を選ぶのがよい。
ホストベースのストレージ仮想化では、サーバ仮想化ソフトウェアがストレージを論理的に分割し、仮想マシンのゲストOSに仮想ストレージとして供給する。仮想ストレージへのアクセス許可やボリューム(論理的なストレージ領域)の割り当てなど、ストレージ仮想化に必要な処理をサーバが実行するため、ストレージの種類にかかわらず利用できる。
ストレージアレイが仮想化ソフトウェアを実行する方式が、アレイベースのストレージ仮想化だ。アレイベースのストレージ仮想化では、ストレージの主な制御権はストレージアレイの制御を担うストレージコントローラーにある。
OSベースのストレージ仮想化は、アレイベースのストレージ仮想化と似た機能を実現するが、機能をサーバOSが実行する点が異なる。OSベースのストレージ仮想化により、サーバOSはコンテナや仮想プライベートサーバなど複数のストレージ機能を実行できるようになる。一部のサーバOSにはこうしたOSベースのストレージ仮想化機能が組み込まれている。Microsoft「Windows Server」の「Storage Spaces」(記憶域スペース)はその一例だ。
ファイルシステムベースのストレージ仮想化は、複数のサーバで稼働するファイルシステムを、あたかも単一のファイルシステムであるかのように扱えるようにする。異なるファイルシステムを持つ複数ファイルサーバにデータが分散されていても、エンドユーザーからはデータが単一のファイルサーバにあるように見える。
ネットワークベースのストレージ仮想化は、サーバとストレージの間の通信を中継するネットワークアダプターを仮想化する。これによりサーバの仮想マシンが仮想ネットワークアダプターを介して、データ入出力の要求をストレージに直接転送できるようになる。
後編は、自社に最適なストレージ仮想化製品を選ぶためのポイントを説明する。
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