いまさら聞けない「クラウドストレージ」と「仮想ストレージ」「仮想化」がキーワード

クラウドストレージは必ずしもパブリッククラウドを意味するわけではない。仮想化や仮想データストレージも仮想サーバや仮想デスクトップに関係するとは限らない。これらが実際は何を意味するのかを解説する。

2019年01月31日 05時00分 公開
[Logan G. HarbaughTechTarget]
画像

 ストレージに関する誤解を解いていこう。第一に、全てのクラウドストレージがAmazon Web Services(AWS)の「Amazon Web Services」やMicrosoftの「Microsoft Azure」などのパブリックサービスでホストされているわけではない。第二に、仮想化と仮想データストレージは、VMwareの「VMware ESX」やMicrosoftの「Hyper-V」といったハイパーバイザーでホストされる、仮想サーバや仮想デスクトップだけを指すわけではない。この2つの誤解には関連性がある。クラウドストレージが仮想化されているためだ。

 全てのストレージはある程度仮想化されるといえる。最も基本的なブロックベースのハードウェアシステム、つまりHDDでさえ、ストレージコントローラーによるマッピングが施される。このマッピングにより、HDDの物理ディスクにある物理ハードウェアブロック、物理セクタ、物理トラックが、仮想ブロック、仮想セクタ、仮想トラックに変換される。マザーボードやストレージコントローラーはこのマッピングを基に物理ディスクと通信する。

 ファイルベースのストレージでは、ファイルとメタデータを格納するためのSMB(Server Message Block)やNFS(Network File System)ボリュームが作成される。基盤のファイルシステムと、ストレージシステムが要求するファイルシステムが異なってもそれは変わらない。SMBやNFSではなく、ZFS(Zettabyte File System)などの次世代ファイルシステムを使用し、変換するファイルサーバもある。CIFS(Common Internet File System)あるいはNFSを使用し、異なるタイプのボリュームのどちらとしても使えるようにするファイルサーバもある。つまり、SMBボリュームをNFSボリュームとして、あるいはその逆の使い方ができる。これもある種のデータストレージ仮想化だといえる。

仮想データストレージの実情

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

隴�スー騾ケツ€郢晏ク厥。郢ァ�、郢晏現�ス郢晢スシ郢昜サ」�ス

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

IOPSが5倍に向上&コストも80%削減、エクシングが選んだ大容量ストレージとは

カラオケ業界が直面するデータ増に対応すべく多くのストレージを試し続けた結果、4社27台の製品のメンテナンスに悩まされていたエクシング。この問題を解消すべく、同社は大容量かつコスト削減効果に優れた、新たなストレージを導入した。

製品資料 プリサイスリー・ソフトウェア株式会社

データソート性能向上でここまで変わる、メインフレームのシステム効率アップ術

メインフレームにおけるデータソート処理は、システム効率に大きく影響する。そこで、z/OSシステムおよびIBM Zメインフレーム上で稼働する、高パフォーマンスのソート/コピー/結合ソリューションを紹介する。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

従来ストレージの約8倍の容量を確保、エルテックスが採用したストレージとは

ECと通販システムを統合したパッケージの開発と導入を事業の柱とするエルテックスでは、事業の成長に伴いデータの容量を拡大する必要に迫られていた。そこでストレージを刷新してコスト削減や可用性の向上などさまざまな成果を得たという。

製品資料 日本ヒューレット・パッカード合同会社

空冷だけではなぜ不十分? データセンターの熱負荷対策をどうする

CPUやGPUの性能向上に伴い、データセンターでは今、発熱量の増加にどう対応するかが課題となっている。特に高密度なサーバ環境では、従来のファンやヒートシンクに頼るだけでは熱管理が難しい。こうした中、企業が採用すべき手段とは?

製品資料 Dropbox Japan株式会社

ファイルサーバをアウトソーシング、「クラウドストレージサービス」の実力

中堅・中小企業の中には、IT担当者が社内に1~3人しかいないという企業も少なくない。そのような状況でも幅広い業務に対応しなければならないIT担当者の負担を減らす上では、ファイルサーバをアウトソーシングすることも有効だ。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...